ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

三重県伊賀に窯を構える、今、注目の若手陶芸家、岸野寛さんの工房へ。

2011-11-22 | アート
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滋賀県の信楽にお出かけしたミモロ。「MIHO MUSEUM」で仏教文化を鑑賞した後、大きな牛肉がのったカレーを食べて、ひと心地していると、お友達が、
「ミモロちゃん、近くに今、注目の若手の陶芸家の工房があるんだけど、ちょっと寄ってみる?」と尋ねます。「えー陶芸家さんに会えるの?行く行く!」と、陶芸に興味のあるミモロは、すぐにお返事。

曲がりくねった山道を進んでゆくと、「あれ、ここ三重県なの?さっきまで滋賀県にいたのにー。信楽って、三重県との県境に近かったんだー」。東京生まれのミモロは、どうも関西地方の地理に疎いよう。

到着したのは、伊賀焼の陶芸家、岸野寛さんの伊賀丸柱にある「寛白窯」です。


緑茂る山の古い民家を改造した住まい兼ギャラリー。家の前では、大きな壺がミモロたちを迎えます。

「ところで伊賀焼って、どういう焼物?」と、こっそり尋ねるミモロ。
では、伊賀焼のお話の少し…。
伊賀は、奈良時代から始まったといわれる歴史ある焼物の産地で、平安時代から鎌倉時代に本格的な産地に成長。室町時代から桃山時代にかけて、茶の湯の発展に伴い、伊賀焼の土の風合いが醸し出す独特の侘びの景色が、茶人の心をとらえることに。その後、時代の流れにより、茶道具だけなく、土鍋、食器、花器など、幅広くいろいろな日用雑器が作られ、現在も多くの人々に愛される焼物のひとつです。


「ごめんくださーい!」

すでにお友達が、訪れることを連絡してくれたよう。「どうぞ、お待ちしてました。上がってください」と笑顔で迎えてくれた岸野さん。
お座敷に上がると、そこには、器、壺などさまざまな作品が、静かに時を過ごしています。



岸野寛さんは、京都生まれ。京都市立銅駝美術工芸高校陶芸科を卒業後、伊賀土楽窯の福森雅武氏に師事。10年の修行の後、伊賀丸柱に「寛白窯」を築窯したのは2004年のこと。蹴轆轤と薪窯での作陶を行う陶芸家です。

ミモロは、ご挨拶もそこそこに、ひとつひとつ作品を拝見することに。
白釉と焼〆の壺。

「わーダイナミックな作品!」

「なんか温かい感じがする白い壺…」と思わず寄り添うミモロです。


座敷や廊下に置かれた作品を次々に見て回ります。

岸野寛さんの作品は、実に多彩。野趣を漂わす焼〆、柔らかく、温かさを纏った白磁をはじめ、志野、井戸、甲愛、刷毛目など、それぞれの異なった表情は、小さな盃から、飯茶碗、皿、徳利、花器、大壺、そして茶器へと姿を映してゆきます。また器の息遣いや鼓動を感じさせるフォルムは、使う人の心に寄り添うよう。使うほどに、いっそう心惹かれる作品です。

「ミモロちゃん、お茶の用意ができました。どうぞこちらへ」と岸野さんの声。
廊下を滑るように、走って玄関そばのお座敷へ。

「わー美味しそう…」奥様手作りの栗の甘露煮とお抹茶が。

岸野さんが作られた茶碗と小皿でのおもてなし。栗の自然な甘さと共に、心がほんわかしてきます。

お友達と話が弾む間、ミモロは、ひとり縁側でのんびり。

庭の向こうに見えるのは、薪窯。ミモロは、さっそく見学に。

そばには、たくさんの薪が用意されています。
「ここで、作品ができるんだねぇー」と、作品を出し終え、空っぽの窯を覗いたり、薪に登っていると、

「ミモロちゃーん、そろそろおいとましましょう」と母屋からお友達の呼ぶ声が。
「ハーイ、今行きまーす。置いてかないでー」と慌てて戻るミモロです。


「今日は、どうもありがとうございました」と車の中から手をふるミモロを、笑顔で見送る岸野さん家族。
ちょっと恥ずかしそうな息子さんの姿も可愛らしく。

「なんかすごーくセンスがいいお家だったね。とても自然で、それでいて洗練されてる感じ…ああいう暮らし方って、憧れちゃう!栗の甘露煮も美味しかったし…楽しい日だったー」
また、素敵な方に知り合えたミモロです。

*旅のお知らせ:岸野寛さんをはじめ、佃真吾さん(木工)、新宮州三さん(木工)、村田森さん(陶芸)、大宅稔さん(コーヒー豆)による「鹿ケ谷にて 五人展」が、京都、鹿ケ谷山荘で、11月23日~27日(11:00~18:00)に開催されます。 鹿ケ谷山荘:京都市左京区鹿ケ谷徳善谷町4-16 075-751-2304
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