ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

萩焼を代表する陶芸家 三輪和彦さんの「不走庵三輪窯」へ。土のエネルギーあふれる作品に感激

2011-11-05 | アート
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萩焼に興味をもったミモロ。萩在住のお友達が親しくしている萩焼の陶芸家の工房を訪ねることに。



向かったのは、町の中心地から、ちょっと離れた場所にある「不走庵三輪窯」。案内されるまま、トコトコとお友達の後に続くミモロ。通されたのは、風情あるお庭に面したりっぱなお座敷です。

実は、ここは萩焼の陶芸家、三輪和彦さんの工房。三輪さんは、人間国宝である11代三輪壽雪さんの御子息で、萩焼のもつ美しさとパワーを、斬新でダイナミックな作品に表現する陶芸家で、国内外で高い評価を受ける方。

「えーすごい陶芸家の工房なんだぁー」と、ミモロは、ちょっとビビッています。
「やぁ、いらっしゃい…」と三輪和彦さんと奥様。
「なんかやさしそうな方…よかった…」と内心ホッとするミモロです。

さっそく工房を案内していただくことに。

登り窯のために用意された、たくさんの薪が積まれた場所を通り過ぎ、その奥にある窯へ。
山の斜面には、大きな窯が連なっています。
「ここで作品が生まれるんだね」と、大きな窯を覗き込むミモロに、「じゃあ、次はこちらに…」と三輪さんの声が。


三輪さんといっしょに、工房の中へ。黒い液体が入った大きな容器がそこに。

「これ、なんですか?」と恐る恐る近づくミモロ。
「それは、作品に使う藁の灰から作った釉薬ですよ」。真っ黒な釉薬からどんな器や作品ができるのか、ミモロは想像ができません。工房を出ながら「きっと真っ黒の作品だねぇー」とポツリ。

工房から庭を通って、次は作品が並ぶギャラリーへ。

モダンでスッキリとした建物のギャラリーの中に入ったミモロは、その作品にビックリ!


「うわースゴーイ!大きくて、ダイナミック!」。まるで大地から天へとそそり立つように伸びる白い柱。
それは雪をかぶった断崖をイメージさせ、大地のエネルギーが集約されたような迫力を漂わせています。

「あのーところで、黒い釉薬は、どうなったの?もしかして、この雪のような表面は、あの黒い釉薬から生まれたの?」と、ミモロは不思議なものを見るように、作品を見つめます。

ミモロが想像した通り、あの黒々とした釉薬は、窯の火で、たっぷりと作品を包む美しい白へと姿を変えたのです。なんて不思議なことでしょう。「神様がやってるとしか、思えない…」とミモロ。

まさに陶芸は、自然の恵みから生まれるもの。土、水、火、木、金、そして人の手が調和して、生まれます。微量なガラスや鉄分など金属を含んだ土は、水を加え、人の手で粘土となり、作品に形作られ、藁灰の釉薬をまとい、さらに薪と風によって燃える火が、作品を完成させます。
どれ一つ欠けても、決して生まれないもの。
昔から中国に伝わる、万物は土・水・木・火・金の元素からなるという五行思想を、改めて思い起こさせる、三輪さんの作品です。

土のエネルギー、自然界のエネルギーを表現する三輪さんの作品。土の声、大地の声を聞きながら、それに従うように三輪さんの手を通し、作品へと、その声をうつしてゆくようです。


作品の放つパワーに圧倒されて、ただ茫然と眺めるミモロを、三輪さんは、ヒョイと持ち上げて、なんと作品の上に。

大切な作品にのせていただき、緊張したのか、ミモロの体も顔もこわばっています。
後で聞くと、ミモロはこわばっていたのではなく、「作品からすごいエネルギーを感じていたの」だそう。
「なんか体がしびれちゃった…」と。

実は、ミモロと三輪さんには、素敵な共通点があったんです。それは、ミモロが大好きな奈良の三輪大社に、その名が示すように三輪さんも深い縁が。初対面の三輪さんに、ミモロが親近感を覚え、三輪さんもミモロをかわいがってくださったのには、なにやら不思議なパワーが働いたみたい。とても不思議な出会いです。

さて、ギャラリーでは、ほかの作品も見せていただきました。

「月兎の盃」は、四角の盃の中に、金色の兎の姿が。「きっとお酒を注ぐと、兎も酔っぱらうね…」

また金色のリンゴも。
一見、金属でできたような輝きをもつリンゴも、陶芸作品。中は空洞で驚くほど軽いもの。

圧倒的なダイナミックな作品と、手に抱きたくなるような可愛らしい作品。その両方が三輪さんの手から生まれます。

工房のそばには、長い木造の建物が。
ギャラリーとゲストの宿泊できるスペースだそう。
その中には、巨大な器が。

白の器に、赤と黒の色彩が際立つ作品です。

「出会えて、すごく嬉しかった…」と、素敵な時間を過ごしたミモロです。

コメント (2)
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