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萩城から、町歩きを始めたミモロ。萩出身のお友達の案内で、古い土塀や白壁が連なる道を進みます。城に近い堀内地域は、上級武士が暮らしていたエリア。大きな屋敷が、並び「まるで江戸時代にタイムトリップしたみたい!」と、ミモロは、ワクワクしながら歩きます。
この堀内地区は、ほぼ全域が、伝統的建造物群保存地区に指定され、電線も地下に設置され、昔の佇まいを大切にしています。毛利家萩屋敷長屋など、一般公開されている屋敷もあり、見てまわる楽しみもいっそう。
トコトコと町歩きを楽しむミモロがやってきたのは、りっぱな門構えの「萩博物館」。
ここは、萩開府400年を記念して、平成16年に開館した、萩の歴史や文化などを紹介する博物館です。
武家屋敷が建ち並ぶ堀内地区にふさわしく、武家屋敷の特徴になぞられて設計され、ひときわ長い塀をもつ建物です。
頑丈そうな扉がついた門をくぐって、中へ。
広い敷地の一角には、お城の櫓のような建物(隅矢倉)が、長屋門につづくように建っています。「あそこに行ってみようーっと」。ミモロは、トコトコと建物に近づきます。
「こんにちはー」と言いながら、縁側に上がって、中へ入ろうとしています。
勝手にあがっていいのかしら…。
「だって、ほら、ここに書いてあるもん!」と、自慢げに表示板を示します。
あ、失礼しました。ちゃんと見てたのね。
座敷のある1階から、ちょっと急な階段を上がり、2階に行くと、そこからは周囲の景色がよく見えます。
「あ!指月山も見えるよー」と。ミモロの眼下には、瓦葺の屋根の古い町並みが広がって。
ふと上を見上げると、太い梁を巧みに組み合せた天井が。「へーこうやって屋根ってできてるんだー」と興味津々に天井裏を眺めます。釘を使わず、木を組んだ昔ながらの建て方。木組みの美しさにも驚きます。
博物館には、高杉晋作の愛用した品々を展示した「高杉晋作資料室」も。
大河ドラマ「龍馬伝」など幕末のドラマに必ず登場する高杉晋作をはじめ、吉田松陰、桂小五郎(木戸孝允)、伊藤博文など、幕末から明治に活躍する人材を多数輩出した長州。その人たちの足跡が、町の随所に見られ、歴史好きには、たまらない町です。
「あ、赤い車がある!」と乗り物好きのミモロは、博物館の敷地内に置かれた大きな赤い車に走り寄ります。
それは、昔の消防車。
「クラシックカーみたいな消防車があったり、SLも走っていたり、山口って、なんかいいね…ウーウー」と、サイレンの音をマネしながら、嬉しそうに乗り込むミモロです。
「ところで、ミモロちゃん、萩の特産物って知ってる?」と、突然、萩出身のお友達に聞かれたミモロ。
「なんだろ?」 みなさんはご存知ですか?
「それはね、夏ミカン」。
実は、夏ミカンを日本で最初に経営栽培したのが、萩。そもそも夏ミカンは、山口県の長門市から、江戸時代に萩に持ち込まれたといわれ、当時は、庭などに植えられていたそう。それが明治になり、俸禄を受けられず生活に困窮した士族たちの暮らしを支えるために、新政府の要職にあった小幡高政(第百十国立銀行の頭取をも後に務めた)が、明治9年から栽培に着手。夏ミカンに適した気候のおかげで、明治20年ごろには、萩の特産物になりました。
「夏ミカンをつかったお菓子やデザートなども、いろいろあるのよ。食べてみる?」とお友達。「ずっとおやつ食べてなかった…」と、唾をゴクリと飲み込みながら、大きくうなずくミモロです。
萩博物館にレストランでは、夏ミカンのシフォンケーキやソフトクリームが人気。
「はい、どうぞ・・・」とコーンにうず高くそびえるソフトクリームに、もうミモロは待ちきれない様子。
「わー早くちょうだい、ちょうだい!」と体を揺らしながらおねだり。夏ミカンの甘酸っぱいソースとアイスクリームが、口の中で溶け合って、なんとも美味しいデザートです。
博物館の敷地にも、夏ミカンの木が植えられています。町歩きをすると、きっと庭に夏ミカンがある家に出会うはず。自家農園で栽培、出荷される夏ミカン。ジュースやゼリーなど、いろいろな品が、萩の町で販売されています。お土産にもおすすめの品です。
萩の町には、ほかにも浮世絵や古い萩焼の名品などを展示する「山口県立萩美術館」、萩焼の陶芸美術館「吉賀大眉記念館」をはじめ、いろいろな美術館、博物館が点在。散策で、ぜひ立ち寄りたいもの。
*「萩博物館」の詳しい情報は、ホームページで。また近隣の美術館、博物館などにリンクできます。「萩市観光協会」のホームページで。
夏ミカンのソフトクリームを食べたミモロは、さらにトコトコと町歩きを続けます。