ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

「星のや 京都」の「京都の深みにハマる旅」。山田松香木店山田英夫社長に教わる聞香と練香づくり

2013-03-07 | 体験

「ミモロちゃん、素敵な体験講座があるから、一度見に来てください」と、「星のや京都」の広報の方からお誘いを受けたミモロ。もちろん「行く行く、絶対行く・・・・」と即お返事。2月のある日、ミモロは、嵐山にある「星のや京都」に向かいました。日本全国に展開する「星のや」が手掛ける宿のなかでも、「星のや京都」は、2009年にオープンしたラグジュアリーな宿として評判です。


嵐山の渡月橋から船でゆく宿は、それだけで日常を忘れ、別世界に行くような心地に。同じ京都にいながら、旅気分も十分。「いつ来ても、寛ぐねぇー」と。

宿に到着すると、さっそくウエルカムドリンクが。この日は、椿餅とお抹茶です。

「結構なおふく加減で…」と言いながら、椿餅とお茶をペロリと頂きました。

さて、「星のや京都」のお座敷で、行われた「山田松香木店に学ぶ聞香・練香づくり」という体験型の文化講座は、年に何回か企画される「京都を学ぶ特別文化体験」のひとつ。一般の観光客では、体験できないようなことが、宿泊プランで可能に…。

ミモロは、今回特別に参加することになりました。

「聞香ってなあに?」とミモロ。
聞香(もんこう)とは、香を嗅ぎ分けること。
そもそも日本の香り文化は、仏教伝来と共に始まります。もともと香は、仏教儀礼の場面に使われていたそう。天平勝宝5年(753)鑑真和上の来日の折の同行品のひとつに練香があり、それにより、間接的に熱を加えて使用するたき方が伝わったとか…。その後、宗教から切り離された香は、平安時代になって、趣味や教養の一分野として貴族たちの間で大流行。「源氏物語」にも、香を楽しむ場面が描かれています。


さて、この日の講座は、香木の老舗、「山田松香木店」の社長、山田英夫さんにご講義いただき、その後に、実際に「聞香」と「練香づくり」を体験するという充実した盛りだくさんの内容です。

山田松香木店」は、江戸の寛政年間に創業。京都御所の西側、新町通にお店が。
「平安貴族たちがたしなんだ、雅な香りの世界を楽しんでくださいねー」と。優しい笑顔の山田社長。

「ワーなんかドキドキしちゃう…」とミモロはちょっと緊張気味。

まずは、香木のお話から…。

貴重な伽羅は、鉛の箱に入って、大切に保管されています。
香木は、香りを放つ木のこと。中でも、長い年月を掛けて樹脂が蓄積し、硬くなった伽羅は、ベトナムのごく一部でしか産出されない最高峰の香木で、沈香の一種。正倉院の宝物のひとつとしても知られています。

伽羅は、1グラム1万円くらいというとても高価な香木。「わー金よりも高価なんだー」と目を丸くして見つめます。

「でもなんか鰹節みたい・・・」

大きな香木を抱えて、ミモロの発想は、食べ物に…。

また、よく知られる香木の白檀は、幹の芯の部分を切りだしたもの。
「へぇーこれが白檀の断面…」
色の変わった部分を香木として使います。これは、枝の一部で、やはり大きくなるには相当の年月がかかるそう。

ここでちょっと実験を…
「普通木は、水に浮きますが、伽羅や沈香は、その文字が示すように水に沈むんですよ」と山田社長。
では、実際に…

いくつかの沈香を水の中へ。
「あ、ホント、沈んじゃったー」と、目をパチクリさせるミモロです。

いろいろな貴重な香木を実際に持たせていただいたり、さまざまな資料を拝見したり…本当に興味惹かれることばかり。。

お話の後、いよいよ「聞香」が始まりました。
使うのは、とても小さな道具。まるでミモロサイズです。


お店のスタッフの方が、流れるような手際で、「聞香」の支度をしてゆきます。

ミモロは、ただ見惚れるばかり。

小さな香炭団をいれた香炉灰は、中央部を盛り上げ、真中に空気の穴を…。
上から見ると、炭団が燃えている火が赤く輝いています。

灰の上に「銀葉」という、小さな網のようなものを置き、その上に3ミリ四方ほどの小さな香木を。

「まず、香炉を左手に乗せて、水平に保ちます。右手で、香炉を覆うようにして、鼻を近づけて、香りを吸いこんだら、次に脇に顔を向けて、息を吐きます。それを3回ほど続けてください…」とのご指導を…。

受講者が、次々に香炉を回し、聞香を体験してゆきます。

一番最後のミモロ。やっと香炉が回ってきました。
スタッフの方に手伝っていただきながら、香りをかぎ、そして顔を横に向けて息をフーっと。


「うーなんか甘いような…でも、どこかキリリとした感じも…」とミモロ。
実は、ミモロは、鼻息で、小さな香木や灰を吹き飛ばさないか…それでが心配で、息を止めていたみたい。
「すごく緊張しちゃったーフー」と。

さて、次は、「練香づくり」に挑戦です。

*文化講座などの詳しい情報は、「星のや京都」のホームページで


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コメント (4)
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