日本を代表する建造物と庭園で、世界的にも知られる「桂離宮」。ミモロは、お友達と一緒に、その散策を楽しんでいます。
「表門」から、「御幸門」、そして「外腰掛」を経て、次に見学するのは、池に面した草庵茶室の「松琴亭(しょうきんてい)」です。
茅葺入母屋造の母屋は、実に簡素な趣。母屋には、2つの座敷があり、その後ろに茶室が続きます。
「わー風通りのよさそうなお座敷だこと…」。大きな「一の間」は、11畳の広々した造り。
襖と床の間の貼付壁には、青と白の大きな市松模様が…。
すごくモダンな感じのインテリア…江戸時代に作ったなんて信じられない感覚です。この模様は、「桂離宮」のシンボル的な模様で、市松模様をあしらったお土産も売店にありました。
「昔は、もっと鮮やかで、鮮烈なイメージだったと思うよー。でも、なんか今は、ちょっと色がさめちゃった感じ」
確かに、十数年前に一度訪れた時の方が、今より、色がきれいだった気がします。
「あーこんなお座敷でお昼寝できたら、気持ちいいだろなぁー」
本当に、夏は、特に気持ちよさそう…。
「松琴亭」の周りは池。水面をわたる風も、爽やかです。
そして、夏の強烈な陽射しを避けるように、廂(ひさし)が深くなっています。
縁の下を隠すように組まれた竹も、なんとも風情があります。
「こういうところまで、気を使っているのが、すごいよねー」
他の見学者が、気に留めないような点まで、見つけるミモロです。
「あれーキッチンみたいなのがあるよー」
それは、キッチンじゃなくて、お茶を楽しむための水屋。お座敷の前に、広い板張りのスペースを設け、庭の景色を愛でながら、お茶を味わう、なんとも贅沢な大人の遊びが楽しめる演出です。
「ホントにどこにも金襴豪華なものがなくて、まさに簡素の極み…でも、ひとつひとつに、最高の素材と技術が施されているから、別の意味ですごく贅沢で、かえって迫力さえ感じる…さすが、後陽成天皇の弟さんの智仁親王(としひとしんのう)と、その息子さんの智忠親王(としただしんのう)…教養の高さと知性を感じる…」と、この離宮を作られたお二人の美意識に、ただ感心するミモロです。
「ここって、八条宮家の別荘でしょ?つまりプライベート空間…。町中の御所やお住まいには、いろんな人がいて、気を使って、きっと疲れたんだろうねぇ。だから、自分の時間を過ごすときは、こういう簡素な雰囲気の中で、リラックスしたかったんじゃないのー。好きなお友達だけ呼んで、お茶したり…」と、ミモロの想像は、膨らみます。
「キャーこの飛び石歩きにくい・・・すべっちゃいそう…」。自然石の趣を活かした飛び石。
「こっちの飛び石も、注意して歩かなくちゃ…転んじゃうかも…」。小さなミモロには、歩きにくそう。ひとつひとつの飛び石を、ピョンピョンとジャンプしながら進みます。
「桂離宮」をめぐる道は、実にさまざま。
足元だけ見てても飽きないかも…。
「きっと訪れるお客様をドキドキさせながら、散策を楽しむ工夫かも…」と、勝手な解釈をするミモロです。
次ぎに訪れたのは、散策の途中で休憩するのに、ピッタリな「賞花亭(しょうかてい)」です。
「ここからのお庭の眺めも素晴らしいねえー」
「賞花亭」は、茅葺切妻屋根と皮つきの柱、そして竹の連子窓の小さな建物
「水屋があるから、ここでもお茶楽しめるんだー」
「ミモロも、ここでお茶したいなぁー。きっと美味しいよーお菓子は、何を食べたのかな?」。
現在のお茶会などに登場する上菓子が、発展し始めるのは、後水尾天皇の頃から。もしかしたら、その頃の最新のお菓子を、召し上がっていたかも…。
こじんまりとした建物ながら、その造りの美しいこと。
職人さんの技が、本当に見事…。竹や茅など、自然の素材で、これほど洗練された雰囲気を作る技は、感動的。
「デザインした親王さまたちのセンスも素晴らしいけど、それを実現させた職人さんたちも素晴らしい!」と。
竹材ひとつを見ても、完成度の高さは、まさに芸術的です。
「ここから見ると、また違った雰囲気に見えるよー」
竹で組まれた連子窓から、覗くミモロ。
正面には、書院の姿が・・・・
さぁ、最後は、書院へ行きましょう。「ここ渡るのー?」
そこはダメ…。ちょと寄り道してからですよ。
ミモロは、見学者の一団の後を、トコトコついて歩きます。
人気ブログランキングへ
ブログを見たら、金魚をクリックしてね