京都の数ある桜の名所でも、一番遅く開花する桜が、「仁和寺」の御室桜です。
その開花は、4月中旬から下旬。今は、まだ蕾の桜ですが、一足早く、そのお寺をご紹介します。
京都の町の北に位置する「仁和寺」は、平安時代に光孝天皇が、西山御願寺として着工され、仁和4年(888)に宇多天皇が、その遺志を継がれ完成させたお寺です。宇多天皇は、退位後、出家し、30年あまり真言密教の修行を、ここ「仁和寺」でなさったそう。明治時代まで、皇室出身者が門跡となられたことから、寺には、おのずと雅な雰囲気が漂い、御室御所とも呼ばれました。広大な敷地は、緑に抱かれるよう、そこには、立派な伽藍が配され、堂々とした風格をたたえてます。現在は真言宗御室派の総本山。
「仁和っていう年号の時にできたから、『仁和寺』なんだー」と、初めて知ったミモロです。
仁王さまが睨みを利かす「二王門」から中へ。高さ18・7メートル。知恩院、南禅寺と共に京都三大門のひとつ。
「さすが門跡寺院…なかなかりっぱだねぇー」と辺りをキョロキョロ見回しながら、参道を進みます。
応仁の乱で、寺のそれまでの建造物は焼失。再興されたのは、江戸時代、徳川家光の時代以降です。その頃、京都御所は、増改築の時期を迎え、紫宸殿や清涼殿など多くの建造物が下賜され、『仁和寺』の伽藍が再興。創建当時の姿を取り戻すことになります。また明治時代に火災により、御殿を焼失、大正時代に再建されることに。
朱塗りの中門。「うー中になんか像があるー」と覗き込むミモロ。
門の両サイドに、西方天、東方天がいらっしゃいました。
中門の西側に広がるのが、御室桜の咲く場所。
まだ、開花は先で、蕾も固い状態。4月中旬ごろには、遅咲きの桜も開花します。
この桜、背が低いのが特徴。そのため、
「わたしゃお多福 御室の桜 鼻(花)が低ても 人が好く」と庶民の間でうたわれた桜です。たっぷりとした花が、枝を包むように咲く姿は、艶やか。
慌てて鼻を抑えるミモロ…うーミモロの鼻も低いですね。
中門の東側には、五重塔が聳えます。
寛永21年(1644)に建立された、高さ約36メートル、内部には大日如来などをお祀りしています。
京都市内には、東寺、醍醐寺、法観寺(八坂の塔)、そして仁和寺と、4つの五重塔があります。一番のっぽなのは、東寺の塔で、55メートルです。(以前、八坂の塔に上ったことをブログでお伝えした折、詳しく書いています。)
さて、いよいよ金堂へ。
大きな灯籠がお出迎え。
さて、この金堂の建物は、御所の紫宸殿を移築したもの。
現存する最古の紫宸殿で、国宝です。
「京都御所から、ここに移築したから残ってるんだねー。御所にあったら、京都の町の大火や、蛤御門の変で焼失してたかも…。よかった、よかった…」とミモロ。
中には、仁和寺の御本尊の阿弥陀三尊をお祀りしています。
「なるほど紫宸殿だったから、装飾が雅な感じ…」昔の宮殿建築の様子がうかがえる姿です。
そして、もうひとつ御所から移築されたのが、御影堂。
清涼殿の金具など一部を再利用した建物で、寛永年間に再建された約10メートル四方の小さなお堂です。中には、ここに住まわれた弘法大師の像と、宇多法皇像などが安置されています。
そして、御室桜の園の北側にある観音堂。
本尊は、千手観音菩薩で、二十八部衆なども安置されているそうですが、非公開のため、拝むことはできません。
今までの巡った建造物は、国宝の金堂以外は、すべて重要文化財。
桜を楽しみに行ったら、ぜひ、ゆっくりと素晴らしい建造物も見て廻って欲しいもの。
「また、桜が咲いたら、来ようねー」と。
京都の桜は、おそらく4月上旬が盛り。それ以降に京都を訪れたら、ぜひ、「仁和寺」へ。五重塔を背景にした美しい桜を楽しめます。
*「仁和寺」の詳しい情報は、ホームページで。
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