歳を取れば 一年が短い
フランスの哲学者が「年をとると、時の流れを短く感じるという経験則がある」という法則を見付けたと云います。
哲学者が云うまでもなく、誰もが歳とともに一年の経つのが早く感じるというのは身を持って体験しているのです。
1月4日の道新の「卓上四季」に、そのことが載せられていて、「確かに子供時代は時間が遅い、夏休みなどの楽しみがいっぱいあり、それを待つ間、時の流れを遅く感じる」と言います。 「反対に、歳をとると楽しみが減るから時間が早く過ぎて行くのだ」とも書いています。このことを哲学者は法則化したのです。
富良野の「森の時計(「森の時計はゆっくり進む」)」ではないけれど、「子供の時計はゆっくり進み、年老いた人の時計は早く進む」とでもいうのでしょう。
昨年はあっという間の一年でした。カムイラビットのことを振り返れば、月月の楽しみは多かったのに本当に短く感じる一年だったのです。「齢をとると楽しみがへる」から一年が短いというのは「その事(法則)は本当なの?」と疑問が湧いてきます。
昨年一年は月月に襟裳岬に行き、植物との出会いを楽しみにしていたので、次の襟裳岬行きを毎月楽しみにしていたことが、一年の短かさを感じることにつながったのではないかと自分自身を分析しているのです。
ヒダカミセバヤ 秋になって葉は赤くなり見応えがあります。 えりもの海岸にて 26.10.18
自分なりに、歳をとると何故一年が短いく感じるのかと問うと一つの事が思い浮かびます。それは「物忘れという現象」という事です。若い時はもの忘れも無く時間が最高に使えたのに、歳とる事によって物忘れが激しくなり、物探しに二倍、三倍、いや十倍もの時間を費やしその為に一年の経つのが早くなるのではないかという事です。
新年を迎えてむかしの職場の同僚U氏から電話があり、むかしの友達Nさんが食事もできないほど衰えていたなどの話しをしたあと、「自分は山登りはしているけれど、車のキーを何個も置き忘れるほど物忘れがひどくなって」などと話します。
考えるに、U氏は物探しに時間がとられ、さぞかし一年の経つのが早かろうと思うのでした。物忘れをしないよう頭の訓練をしておこうと思う日々です。