立木山安養寺:滋賀県 休憩所の梅
1月24日、85歳
父が逝った。
突然のことでは、なかった。
ただ、覚悟していた以上にあっという間の出来事だった。
滋賀県から愛知県に向かった私を待って
ほんの少し病室を空けた姉を待って
ふたりと義兄に見守られて、
父は息を引きとった。
老いてから姉の住む地に移った父の
付き合いは狭く限られていたし、
兄弟・親類縁者は群馬県。
新幹線を乗り継ぎ、葬儀に駆けつけるには
皆、高齢になっていた。
生前からの相談どおり、家族葬になった。
暖かい通夜・葬儀だった。
姪や甥の思い出の中の父は、
彼らの心を映して、童心をもった
明るくチャーミングなおじいちゃんだ。
父が、晩年を姉の家族と身近に暮らし、
ふつうの家の家庭的な賑わいを感じながら
体調や気分がいい日には、
おだやな日々を過せたであろうことを、
いまさらのように、良かったと思う。