庭のおもの土さへさくる夏の日にひとり露けき姫百合の花(夫木抄)
わぎもこが宿のさ百合の花かづ ら長き日ぐらしかけてすずまん(正治二年初度百首)
夏の野のしげみに咲ける姫百合の知られぬ恋は苦しかりけり(古今和歌六帖)
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さゆり葉の知られぬ恋もあるものを身よりあまりてゆくほたるかな(拾遺愚草)
ふるさとの庭のさゆり葉たまちりて蛍とびかふ夏の夕ぐれ(秋篠月清集)
涼しやと風の便りをたづ ぬればしげみになびく野べのさゆり葉(風雅和歌集)
(2009年7月27、28日に掲載した「姫百合」「さゆり葉」の記事を削除しました。)