monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

夏虫

2010年06月17日 | 日本古典文学-和歌-夏

やへむぐらしげきやどには夏むしの声よりほかにとふ人もなし(後撰和歌集)

宵のまもはかなく見ゆる夏虫にまどひまされる恋もするかな(古今和歌集)

つつめどもかくれぬものは夏虫の身よりあまれるおもひなりけり(後撰和歌集)

身にあまりおもひぞしるき沢みづ の底までもゆる夏虫のかげ(御室五十首)

昼は鳴き夜はもえてぞながらふる螢も蝉もわが身なりけり(古今和歌六帖)

いかにして燃ゆるうちにも入(い)りぬらむおもひに身をもかふる虫かな(永久百首)

宵のまに身を投げつめる夏虫は消えてや人に逢ふと聞くらむ(伊勢集)

おもひには身をもかへつる夏虫の消えても逢ふとたれかいひけむ(陽成院歌合)

恋すとて身はいたづ らにならばなれわれ夏虫になりやしなまし(陽成院歌合)

夏虫の身をいたづ らになすこともひとつおもひによりてなりけり(古今和歌集)

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