かげしげき木(こ)のしたやみのくらき夜に水の音してくひな鳴くなり(風雅和歌集)
杣人(そまひと)の暮れにやど借るここちして庵をたたくくひななりけり(山家集)
夜もすがらはかなくたたくくひなかなさせる戸もなき柴の仮屋を(金葉和歌集)
たたくとてやどの妻戸をあけたれば人もこずゑのくひななりけり(拾遺和歌集)
夏の夜はうたたねながら明けなましたたく水鶏(くひな)の音なかりせば(新後撰和歌集)
夢をだに結びもあへぬみじか夜になにと水鶏のおどろかすらむ(藤葉和歌集)
くひなだにたたけばあくる夏の夜をこころみじかき人やかへりし(古今和歌六帖)
(2009年8月7日に掲載した「水鶏(くひな)」の記事は削除しました。)