monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

扇(あふぎ)

2010年06月25日 | 日本古典文学-和歌-夏

手にならす扇の風はかよへども草もゆるがず照る日かげかな(新撰和歌六帖)

みなづきの照る日もいかで過ぐさましたのむ扇の風なかりせば(六百番歌合)

夕されば扇の風をてならして月まつほどもすずしかりけり(六百番歌合)

日くるれば軒にとびかふかはほりのあふぎの風も涼しかりけり(新撰和歌六帖)

おほかたの秋来るからに身に近くならす扇の風ぞすずしき(後拾遺和歌集)

夏はつる夜半ふく風のすずしきにねやの扇ぞまづ おかれぬる(新撰和歌六帖)

夏はつる扇と秋の白露といづ れかまづ は置かむとすらむ(和漢朗詠集)

手なれつる扇も今は夏すぎて露よりさきに置かれぬるかな(風葉和歌集)

つねよりも身にもしむかな夕されの君にあふぎの風のけしきは(永久百首)