monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

蓮(はちす)・はちす葉

2010年06月05日 | 日本古典文学-和歌-夏

水きよみ池のはちすの花ざかりこの世のものと見えずもあるかな(堀河百首)

夏の池のはちすの露を見るからに心ぞことに涼しかりける(堀河百首)

雨すぐる池のはちすの夕風にゆられて落つる露のしら玉(広沢切)

はちす咲く池のゆふ風にほふなり浮き葉の露はかつこぼれつつ(俊成五社百首)

はちす咲く池のみぎはに風ふけば心のうちもかをりあふかな(断簡)

はちす咲くあたりの風もかをりあひてこころの水を澄ます池かな(拾遺愚草員外)

夏の池の水のおもかくす蓮葉(はちすば)にただよふ露の身をいかにせむ(好忠集)

いかにしてにごれる水に生(お)ひながらはちすの花のけがれざるらむ(堀河百首)

いろいろの花にこころは染めしかど今ははちすのうへをこそ思へ(久安百首)

有漏(うろ)の身は草葉にかかる露なるをやがてはちすにやどらざりけむ(新勅撰和歌集)

この世より蓮(はちす)の糸に結ぼほれ西にこころのひく我が身かな(新続古今和歌集)