さばへなす荒ぶる神もをしなべて今日はなごしのはらへなりけり(拾遺和歌集)
夏引きの麻の大ぬさとりそへて百(もも)のつかさのみそぎすらしも(年中行事歌合)
底きよき河瀬の水の麻の葉にしらゆふかけてみそぎをぞする(続千載和歌集)
夏はつるゆふべになれば川波に麻のみそぎをせぬ人ぞなき(堀河百首)
もろ人のみそぎの数を川の瀬にながるる麻のほどにてぞ知る(久安百首)
麻の葉におもふことをばなでつけてみなづ きはつるみそぎをぞする(堀河百首)
ゆく水のうへに祈れる河やしろ川波たかくあそぶ声かな(古今和歌六帖)
ゆくほたる秋風ふくと告(つ)げねどもみそぎすずしき河やしろかな(土御門院御百首)
みそぎ川夏のゆく瀬の水はやきかげもとまらぬ六月(みなづ き)の空(紫禁和歌集)
みそぎする川瀬の風のすずしきはむかひの岸に秋や来(き)ぬらむ(断簡)
はやき瀬のかへらぬみづ にみそぎしてゆくとし波のなかばをぞ知る(新勅撰和歌集)