園長のつぶやき

こんにちは 長坂保育園の園長です。日々成長する子ども達を見ながら、日頃の思いを綴ります。

給食

2010-03-07 11:23:05 | 日記
園長です。
 我が園では、毎週水曜日が「おにぎりの日」になっている以外は、完全給食を行っています。10数年前、何年か続けて保護者アンケートをとりました。「完全給食」についてです。当時は3歳未満児は完全給食、3歳以上児はおかずなしの弁当持参でした。アンケートをとるたびに私を悩ませたのは、「いつも忙しくて、子どもにかまってあげられない。せめてお弁当だけは自分で作ってあげたい。」というお母さんの言葉でした。海よりも深い親の愛情が伝わってきました。その意見を尊重しているうち、完全給食の移行が遅れてしまいました。でも、強硬しないでよかったと今は思っています。時期が十分熟してからの移行だったので、その後はスムーズに進んでいます。とりわけ「見守る保育」に取り組んでからの「セミバイキング方式」は、食育と相まって長坂保育園の特徴ある保育のひとつにもなっています。最近、給食の委託や外部搬入など保育園の給食が騒がれていますが、子どもたちの顔を見ながら調理する、今の給食が一番だと思います。何を改善し、何を残すのか、今の日本は基本から少しずつ離れていっているような気がします。子どもたちにとって給食は大切です。保育園の味付けが子どもたちの「おふくろの味」となっているかもしれません。ここはふんどしを締めてかからないと日本の食、子どもたちの食が崩壊してしまう危機があると思います。
 先日の「お雛様」は水曜日で「おにぎりの日」でした。ランチルームをのぞいたら、子どもたちが楽しそうにおにぎりの見せあいっこをしていました。お雛さま、お内裏様を模した工夫に工夫を重ねたおいしそうなおにぎりがそこにありました。海苔、ごま、玉子焼きを巧みに加工し、お雛様の顔を作り、三角おむすびにしていたものもありました。昔も今も子どもに対する親の想いは一緒なのだと改めて感じました。やはり食べ物を通して伝える愛情は深いものになるようです。先日テレビで「味覚」は脳の一部に記憶されていて、「我が家の味」「おふくろの味」は大人になっても記憶されている。と報じていました。おふくろの味は繊細で、親父の味は「大胆」ということでしょうか。親父の味で私が思い出すのは、私がまだ小さかったころ、山の畑で作った「だい鍋」(大根鍋の略?)という食べ物で、大根を洗い、おろしがねでおろし、イカの塩辛で味をつけ、火に掛けた鍋でした。ハッキリ言って、私はきらいでした。今では食べれるかも知れませんが、子どもの食べるものではなかったような気がします。第一、イカの塩辛は、今のようにまろやかで優しい塩加減ではなく、ひたすら保存食を目指して作っていたので、味付けのほうにも問題があるようでした。しかし、大根は消化が良く、今では健康食品として流行るかも知れません。おふくろの味、で思い出すのは「玉子焼き」です。我が家にはニワトリがたくさんいたので、毎日生まれたたてほやほやの卵が手にはいりました。朝、とり小屋に行って鳥が抱いている玉子をやや斜め後方からかすめるように手を差し出して玉子をゲットします。まだなま温かい玉子を手にすると、ニワトリがキットした目でにらみ、ドキッとすることがありました。その卵で「玉子焼き」を焼くのですが、我が家の玉子焼はあくまでご飯のお伴なので、塩が効いています。玉子に大量の塩を入れると、かき混ぜた時に色が透明に近くなります。しょうゆや砂糖、ましてや「ダシ汁」を入れるなんてことは私が結婚してから知りました。それまで玉子焼はしょっぱいものと思い込んでいたのです。知らないと言うことは本当に恐ろしいものです。しかし、味覚は幼い時からの学習で身につくようです。何度も何度も食べていくうちに記憶となって身につくようになります。皆さんも、おふくろの味がコンビニの「袋」の味にならないよう、少しだけ料理に関心を持ってもらいたいと思います。「おふくろの味」「家庭の味」「八戸の郷土の味」「日本の味」はこれからも大切にしたい心の糧であると思います。私自身の「親父の味」はそのうち紹介したいと思います・・そんなのあったかなあ。
コメント
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