園長のつぶやき

こんにちは 長坂保育園の園長です。日々成長する子ども達を見ながら、日頃の思いを綴ります。

保育園給食外部搬入業務委託

2010-06-09 20:49:03 | 日記
園長です。
 世の中、とてもおかしなことが起こります。今月1日から民間保育所でも給食の外部搬入委託が出来るようになりました。これまでは一部「特区」という形で取り入れられてきましたが、3歳以上の給食に関して認められるようになりました。これはひとえに「経費削減」というこどもの世界にはなじまない世界での出来事であります。今まで「食育基本法」という法律まで作って、こども達の食に関して啓蒙してきたのに、まるで「一生懸命梯子を上って、やっと2階までたどり着いたら、梯子をはずされた」という感じです。こども達には家庭の温かさ、手作りの目に見える給食が必要だと思います。当園では、猫の額ほどですが「畑」があり、こども達の野菜作り、お祖父さん、おばあさんとの触れ合いのひと時、場所でもあります。この畑で作った野菜や果物で、どれだけの好き嫌いが解消されたことか・。こども達は自分たちが丹精込めて作った野菜だと、たとえそれが「ピーマン」だとしてもおいしく食べることが出来ます。調理員との関わりはもっと大切です。保育士ではない「給食のおばさん(お姉さん)」は、保育園の中でも特別に心を解放される場所でもあります。当園では給食当番と調理員の関わりが「味見隊」という形で特別に関わりが深い取り組みをしています。家庭でお母さんが料理を作ってくれるように、保育園でも味見を通して、食材や生産地、作り方などをこども達に教えています。保育園で行なう給食業務は、決して経済効率では語れない大事な要素を含んでいます。特に乳児の離乳食や体調の悪い幼児への配慮は欠かすことができません。特に当園では給食を「セミバイキング方式」で行なっているのでこども達の食べる量や好き嫌いを調理員は全て知っています。それらを考えて、献立表を作り、独自メニューを開発し、こども達に喜んでもらえるような給食を目指しています。調理員は事業仕分けされるような仕事内容ではありません。子どもにとって「給食」は大切です。日本の食文化が崩壊寸前なのは、親が手作りの料理を作らなくなったからにほかなりません。今や保育園だけが最後の砦になりつつあると思います。行事食、伝統食をこども達に伝えられるのは、保育園だけかも知れません。最近、東京から給食の業務委託の電話が3回くらいありました。東京で作る、セレブの味付けも魅力ですが、地方には地方の食文化があります。馬肉、菊の花、うに、アワビ・・山には山の、海には海の食材があり、いつも食べているご飯が地方の食文化を支えているのです。私は今システムを大切にしてこども達に食の大切さ、八戸の食文化を伝えていきたいと思っています。この給食の業務委託、外部搬入については大きな抵抗勢力でありたいと思っています。皆さんはどう思いますか?
コメント
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