園長です。
行ってきました、東京へ。複雑で難解な「子ども・子育て支援新制度」、国の説明を聞いたら少しは理解できるかと申し込んだのですが、やっぱり難しい。
9月17日午後、新幹線に乗るため八戸駅へ向かったのですが、駅構内がなんとなくざわざわと落ち着かない。何事だろうと駅員に聞いたら、「東京駅で白煙事件があり、新幹線は2時間止まっています。」という。私が乗車するはずの列車は「運休」だと・・・。余裕をもって出てきたので、何とか次の列車に乗ることが出来ましたが、なんとも暗雲立ち込める旅立ちでした。
翌日は、午前中用事を足して、午後から虎ノ門にある「日本消防会館」へ。全国から約800人が続々と詰めかけていました。私の園は、とりあえず27年4月から「幼保連携型認定こども園」を目指しているので、認定こども園がどうなるのか、認定こども園に移行したら何が変わるのか、確認をするつもりでした。正面に「内閣府政策統括官」、向かって左に「文部科学省」、右に「厚生労働省」・・・オリンピックの表彰台みたいでした。内容もほとんどが内閣府と文科省の説明で、おまけに厚労省が少し・・という状態でした。国の力関係がすぐにわかる位置関係でした。八戸からも顔なじみの園長が何人か参加していました。1時から始まり4時過ぎまで国からの一方的な説明が続き、最後は質疑応答。さすがに全国・・・。質問者の手があちこちからあがり、この制度の煩雑さ、複雑さを確認していました。その中で思ったことは、保育園はどこに行くの・・・。という素朴な疑問でした。私たちは児童福祉法にのっとり児童の保育をしてきたつもりですが、国の説明はこれまでの制度の欠陥や公定価格の説明ばかりでした。日本の子供たちをどうしたいのかの思いは、私には伝わりませんでした。これまでの収入とこれからの収入の比較が主で、国の役人の自信に満ちた態度が印象的でした。質疑応答では切実な疑問や公定価格に対しての注文が多くありました。中にはどこかの保育園の園長が「認定こども園になればどうよくなるのか」という質問があり、国の回答は「福祉施設でもあり学校でもあることです。」・・・これってあり?という感じでしたが、私の感じでは、世の中は「保育園機能」が望まれていて「幼稚園機能」は望まれていないのに、保育園を幼稚園化するの?という感じがしました。すべては「待機児童解消のため」という錦の御旗がたなびいているようでした。
駅までの帰りに、人々が話をしながら歩いていましたが、どの人も「スッキリ」とはいかないようでした。最近の情報では、27年度は先送りして少し様子を見る・・・という幼稚園、認定こども園が増えているそうです。幼保認定こども園になるメリットがはっきりしないのは、国の致命的な失敗だと思います。日本という国は、日本に生まれた子供たちをどう育てたいのかじっくり説明すべきだと思います。私たちも「収入」の面ばかり追求せず、もっと大所高所からの意見を言わなければいけないのではないでしょうか。国の説明会に行って、ますます不安になった園長です。