永井荷風の「断腸亭日乗」(なぜか第3巻のみ2冊)の全巻揃い( ´◡` )
大きな重い本なので、読むのをためらっていたのです。
そうしたら岩波文庫から第1巻の配本がはじまった。
これで単行本は用なしとなりまする。
BOOK OFFへでも持って行こう。
この写真を撮ったのは2019年5月。心身ともにいまより体力あったなあ。
そういえば、ついこのあいだは「夏目漱石全集」を処分しました。
バラで10 . . . 本文を読む
《もし誰かが私を救ってくれたのだとしたら、それは紛れもなくあなたでした。あなたの優しさを確信する以外、もう私には何も残っていません。》と、ヴァージニア・ウルフは遺書の中で書いている。
世界でもっとも美しい遺書といわれる。
昨日彼女の短篇集を買った。21世紀なって、驚くほど評価が上がっている。
世界的にみて、女性の地位が上昇したからだろう。
予告によると、9月に鴻巣友季子訳で「灯台へ」が刊行になる . . . 本文を読む
吉本隆明さんが「日本近代文学の名作」(新潮文庫 平成24年刊)という、啓蒙の書に類する本をお書きになっている(*´ω`)
昔読んだときは「ああ、こんなものか」と、大急ぎで読み飛ばした記憶がある。
二度目はじっくり読ませてもらっている。
視力が弱くなってからの著作のようだ。毎日新聞の編集者が構成し、あらためて著者自身が補筆して出来上がったのだそうである。
一作につき文庫本にして6ページ程度。
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俗にいう「修善寺の大患」以後の漱石を、いつくか読み返そうとかんがえていた。
彼は捨て子であり、心の傷は終生癒えなかった。
解説者石原千秋によると「硝子戸の中」には“孤愁”ともいうべき漱石がいる、という。
彼は49歳で亡くなった。
しかし、立派な晩年だし、老人である。わたしがおもうに「道草」と「明暗」がこの文豪の最高作(´ω`*)
人生の終わりが近づいたら、もういっぺん読み返そうと思っていたの . . . 本文を読む
このあいだ谷澤永一の「雑書放蕩記」(新潮社 1996年刊)という本が出てきた。そしてそのオビ。
「本は私にすべてのことを教えてくれた―。蒐書六十年、その数二十余万冊、稀有の読書人が熱い心で描く感動の読書自伝。」とある。
20万冊はすげえな(^O^)
谷澤さんといえば開高健さんの盟友だった。
初版が多いようだが、本の写真がぞくぞくと掲載されている。
大部分稀覯本かもしれない。
関西大学で長らく教 . . . 本文を読む
講談社文芸文庫から坪内祐三選で「白鳥随筆」「白鳥評論」がセットで刊行されている。
この2-3日「白鳥評論」を読んでいたが、そこへ新潮日本文學全集12巻がくわわった。
昨夜、見当をつけて、日本文學12巻所収の「髑髏と酒場」を読みはじめたら、これがおもしろかった!!
白鳥は晩年にはめぐまれ、文化勲章をうけた。
「髑髏と酒場」は昭和6年(52)、名高い「明治文壇総評」と同じ時期に発表されている。
小 . . . 本文を読む
昨夜遅く池内紀さんの「となりのカフカ」(2004年刊)を読み了えた。
なかなか愉しめ、ポストイットをたくさん挟み込んでしまった(*´ω`)
最後に新書による“プラハ観光”がついているあたり、著者のエスプリを感じさせる。
わたしが持っているカフカは、新潮文庫の頭木さんの前はほとんど池内さんのものだった。
あしたになったら、日記を書こうかなあ。
長篇「審判」「城」が懸案となってはいる。
しか~し . . . 本文を読む
福田和也「作家の値打ち」(飛鳥新社 2000年刊)、こんな本があったのを思い出した。
「作家の価値は、人の記憶に残る作品をどれがけ書けるかで決まる。その点からすれば、やはり《第三の新人》までの作家は偉い、というか高い値打ちをもっていると云わなければなるまい。」
文学の世界の“偏向”がどうやら許せないらしい。
全574点のうち、最高点をたたき出しているのは「仮往生伝試文」古井由吉、「ねじまき鳥クロ . . . 本文を読む
中村光夫「私小説名作選 上」で、太宰治「富嶽百景」をしばらくぶりに読み返したが、半分ほど忘れていた。
2度目に読み返したのは30代のはじめだったかも♪
「晩年」の諸作と「津軽」が好き。
中でも本作は極上の逸品。
「私小説名作選 上」は田山花袋のはじめて読む「少女病」からスタートするが、これは残念ながら習作レベルである。
徳田秋声、近松秋江、志賀直哉、嘉村礒多など堂々たる私小説作家の代表作に伍し . . . 本文を読む
新品だとたった3冊で6,000円超え(´Д`)
血迷ったわけじゃないけど、講談社学芸文庫はお高いですなあ。
「群像短篇名作選」2,300円、「戦後文学を読む」2,000円、「明治深刻悲惨小説」1,800円。もちろんこれに消費税が加わる。表紙は金文字でピッカピカ♬
岩波と新潮にはかなわないからねぇ、破れかぶれ?
年表だの解説だのがびっしり付属している。
昔の単行本なみか、それ以上なので、お値 . . . 本文を読む