■日本文學全集13巻「岩野泡鳴・近松秋江集」新潮社 解説:平野謙
・岩野泡鳴/耽溺/毒薬を飲む女/猫八
・近松秋江/青草/黒髪/狂乱(ランは旧字)/霜凍る宵/子の為に
■日本文學全集28巻「廣津和郎・葛西善蔵」新潮社 解説:平野謙
・廣津和郎/神経病時代/やもり/死児を抱いて/巷の歴史/ひさとその女友達/あの時代/春の落葉
・葛西善蔵/哀しき父/悪魔/子をつれて/遊動円木/蠢く者/椎の若 . . . 本文を読む
長くなってしまうので、2回に分けて掲載させていただく。
村上春樹さんに「海辺のカフカ」があり、この作の影響で、女の子がフランツ・カフカを読むという現象が、以前あったようだ。
わたしは村上春樹は、とくに好き嫌いはなく、ひとくにいえば“関心がない現代作家”である。谷崎潤一郎や三島由紀夫にも、関心がない。
池内紀の「となりのカフカ」(光文社新書)は、わたしの関心をあらためて目覚めさせ「うん、そうだ . . . 本文を読む
■池内紀(おさむ)「となりのカフカ」光文社新書 2004年刊
カフカ・フィーバーがやってきた・・・と書くつもりだった(;^ω^)
ところが、そんなに夢中に読みすすめているというのではない。
おもしろかったり、おもしろくなかったり。半分、半分かな?
ウィーン近郊にあった「ドクター・ホフマンの保養所」に、つぎの記載があるそうである。
■フランツ・カフカ
身長:184cm
体重:46キロ
晩年 . . . 本文を読む
■堀江敏幸・角田光代「私的読食録」(新潮文庫 令和2年刊)
晩酌しているためか、心身の老化が激しく、このところ長篇小説が読めない、という症状がつづいている。わたしの場合、62~3歳のころから、お行儀が悪いのだが、寝転がって読むことがふえてきた。
だけど長篇小説だと、寝転がってもダメ(´Д`) 体はもちろん、頭の方も、いかれかけている。そういうわけで、読める本は限定されてしまうのだ。
そうい . . . 本文を読む
■「妻と私・幼年時代」江藤淳(文春文庫 2001年刊)
■「悲しいだけ」藤枝静男(恋愛小説アンソロジー 「感じて。息づかいを。」川上弘美選 光文社文庫)
(こちらが「感じて。息づかいを。」の表紙)
「感じて。息づかいを。」(光文社)は100円の棚にあったので、たまたま手に取って眺めたら藤枝静男の「悲しいだけ」が掲載されていたため、この恋愛小説アンソロジーと称する文庫本を買うことになった . . . 本文を読む
■小谷野敦「私小説のすすめ」平凡社新書2009年刊
以前にも読んでいるから“再読”となる。
《このいわば「志の低さ」に辟易する人も多いだろう。わたしは、どちらかといえば、この後者》
著者には失礼ながら、2010年1月6日のBlog「二草庵摘録」にこう感想を書いている。
https://blog.goo.ne.jp/nikonhp/e/d6760d02256e271d34a15ea2f35902 . . . 本文を読む
高橋さんは長吉の隣りに「高橋順子 海へ」という生前墓を造ってもらい朱書してあるそうである。
「夫・車谷長吉」は生半可な本ではない。
読者としてわたしは、すっかり心を掻きまわされてしまった!
「終の住処」の一章もすばらしい♬
ドキュメンタリーの傑作である。なお本書で2018年講談社エッセイ賞を受賞しているそうである。
夫の墓には入りませんという女性がふえているなかにあって、高橋さんの妻としての . . . 本文を読む
(新刊で手に入るのは、現在「夫・車谷長吉」のほかは文春文庫では「赤目四十八滝心中未遂」、新潮文庫では「鹽壺の匙」だけのようだ)
一昨日からこの文春文庫「夫・車谷長吉」を読みはじめた。
買おうか買うまいか、迷っていたのだ。本書の文庫が2020年2月刊行なので、まあ、目にとめてから約4年の歳月がたつ。
高橋順子さんは、詩集も、1冊か2冊どこかにあったはず。ただし、じっくり腰を据えて読んだ . . . 本文を読む
内藤陳さんが、ゴールデン街で「深夜+1」をやっていたころ、友人と出かけたことあった。お遭いできなかったけど、馳星周さんもいなかった。
令和のこの時代、「冒険・スパイ小説」ってどうなんだろう(´?ω?)
「読まずに死ねるか!」が昭和60年。名著だったなあ。
「ジャック・ヒギンズを知らない? 死んで欲しいと思う」など、決めゼリフがカッコよかった。
陳さんはその後、日本冒険小説協会の会長になってい . . . 本文を読む
■中条省平「カミュ伝」集英社インターナショナル新書(2021年刊)
しばらくアメリカ文学を読んできたけれど、少々疲れたので、BOOK OFFでお安く手に入れたこの伝記を読むことにした。
コロナウィルスがはやったため、だれからともなくカミュの「ペスト」が記憶の底から掘り出され、書店に平積みとなって、マンガなど関連本もふくめ、「ペスト」から教訓を引き出そうとする動きがマスコミなどを通じて流布された . . . 本文を読む