■「わが心の小説家たち」吉村昭(平凡社新書 1999年刊)
作家吉村昭は、一時期夢中になって読みふけった。その“時期”を過ぎたらぱったり読まなくなった。自身を責めても仕方ないが、要するに気まぐれなのだ。
「二草庵摘録」を参照すると、28個のコンテンツがならんでいる。これが29個め。
近ごろときたま思い返すのは、これまで読んだ中で、どれが胸の一等席を占めているかというと、
「長英逃亡」(新潮文庫 . . . 本文を読む
そうか、吉村さんにこんな本があったんですね(^^♪
BOOK OFFの100円コーナーで発掘。
「昭和歳時記」なんて、ぐっと胸にくるタイトルじゃ、なにしろ昭和の子ですからね、おいらも。近々読みはじめよう。
永田力さんの挿絵もすばらしいです、半分絵本。
うん( ´◡` ) . . . 本文を読む
う~ん、これはノンフィクション・ノベルではなく、ノンフィクションそのもの。
蘭学者・大槻玄沢が表した「環海異聞」に基づいて、本書の内容を現代の読者に向けてアレンジしている。
最初の方では漂流記がどんなものであるか、6編もの“漂流もの”を書いてきた吉村さんが、江戸期の漂流を、全体として概観している。
しかし、すぐに若宮丸の漂流の紹介がはじまり、彼らの“世界一周”の旅の紹介に移る。
《日本にはイ . . . 本文を読む
■吉村昭「落日の宴 勘定奉行川路聖謨」講談社文庫(新装版。原本は1996年講談社刊)
堂々たる長編、しかも充実の一冊である。
いつ、どこでどのように起こった出来事なのかを、あきれるほど細かく、執拗に書き留めている。
場所、季節、年月日、時刻、天候。
それによって、臨場感は確実に盛り上がる。実在の人物が主役なので、想像力だけでいい加減なことは書けない。おそらくは川路聖謨が残した日記を基にしている . . . 本文を読む
3年間探していた本をようやく手に入れた。・・・というのは冗談(笑)。
「漂流」を読んだあとだから、昨年10月13日以降。以前何度か見かけているのに、いざ買おうと思って探すと見つからない。
2003年の出版。
今日BOOK OFFの棚にならんでいたのを発見。
価値ある一冊かどうかはまだわからん^ωヽ* . . . 本文を読む
■吉村昭「戦艦武蔵ノート」岩波現代文庫(2010年刊 原本は図書出版社1970年刊行)
とにかくやたらおもしろかった・・・と書くと、やや語弊があるかもしれない。戦艦武蔵とともに、兵隊さんや将校その他、1000人を超える人たちが海の藻屑と消えたのだから。
とはいえ、おもしろかったのは確か。
こういう本を執筆していたんだねぇ、吉村さん♪
わたしは断片やメモ、短いエッセイを集めただけの雑録だと錯覚し、 . . . 本文を読む
昨年10月末ころからはじまって、吉村昭に首ったけ(^^♪
手許にある本は合わせて約80冊/70作品を超えているだろう。他に単行本も6冊集まった。
すべては読まないだろうが、BOOK OFF等で見かけるとつい手が伸びる。
現在「戦艦武蔵ノート」に夢中。
写真は昨日やってきた文庫本2冊の短篇集。
これらはすでに絶版(または品切れ)かもしれない。
こんな調子でいつまでつづくことやらねぇ。 . . . 本文を読む
■吉村昭「長英逃亡」新潮文庫上下2巻(平成元年刊。原本は昭和59年毎日新聞社より刊行)
「桜田門外ノ変」とならび、上下2巻に及ぶ大作である。吉村さん、全精力を傾けたものと思われる。新聞連載という形式のためか、ところどころに挟まれたくり返しが気になる。それに、紋切り型というか、「またかね」といいたくなる“決まり文句”があちこち出てくるのはマイナス点。
純文学と銘打ってあるわけではないから、気にし . . . 本文を読む
■吉村昭「零式戦闘機」(新潮文庫 昭和53年刊。原本は昭和43年新潮社)
数あるゼロ戦の本の中でも、この「零式戦闘機」は白眉の一冊といっていいのではないだろうか!?
この作品に比肩しうるゼロ戦をめぐるノンフィクションが、ほかにあるのかしら。としたら、ぜひお教えいただきたいと思う。
とてもオーソドックスなゼロ戦誕生秘話だが、それだけでなく、敗戦までの“日本の運命”が、あっさりとだが、背景として必 . . . 本文を読む
吉村昭は、以前書いたように、書店に出かけるとたくさんの本が、現在でもならんでいる。地味な存在ながら、人気作家なのだ。
ごく個人的な感想をいわせていただくなら、わたしのこの“吉村昭ブーム”は、2021年10月13日、「漂流」からはじまっている。「そうそう、こういう本が読みたかったのだ(゚ω、゚)」
わたしは強い満足感を覚え、新刊書店やBOOK OFFへいっては、吉村さんの本を買った。城山三郎の本を横 . . . 本文を読む