(「門」「こころ」「道草」の順に読み返そうとたくらんでいる)
夏目漱石は「思い出す事など」というエッセイで、
《われは常住日夜共に生存競争裏に立つ悪戦の人である》
と書いている。よく知られた一節なので、ご記憶の読者が多いだろう。
「門」を読み返しながら、このことばを思い起こした。
結論めいたことをさきに述べると、本編「門」は、このあとにくる「道草」にも通ずるような“灰色の日常”を描いた . . . 本文を読む
「門」の読み返しを開始したけど、おもしれー(‘ω`)
若いころ(20代のはじめ)読んだのと比較にならないおもしろさ。
「門」って退屈な作品だと誤解していたなあ。
明治42年10月、伊藤博文の暗殺事件が時代背景となっている。
主人公野中宗助は、こんなに優柔不断でぐずな男だったのだね。
急ぎ書棚の奥からこの4冊を見つけ出してきた。
俳句集はむろんだけど、ほかも拾い読みしておこう♪ . . . 本文を読む
いつかそのうち、読み比べてみるつもりでいた。そ
うして20年30年、時は過ぎゆく。
「道草」と「漱石の思い出」・・・金之助さんと鏡子さん、たぶん愛し合っていたのさ。明治のやりかたで、明治の夫婦として、ね。
漱石の最高作は「道草」。はじめて読んだときからそうかんがえていた。
近々読み返そう(^^♪ . . . 本文を読む
吉本隆明の「漱石を読む」を、二回目のトライアルで最後まで読み通すことができた。吉本さんの主著はわたしには歯が立たないけれど、「高村光太郎」など作家論・作品論ならばついていける。
ふ~むふむ。
「彼岸過迄」その他、いくつか読んでいない本、読んでみようかと思わせてくれた。
いかにも吉本さんらしい骨太の漱石論・作品論。 . . . 本文を読む
昨日蔦屋書店へ散歩に出かけたら、
「なぜ漱石は終わらないのか」という文庫本(河出文庫)が目に入ってきた。
石原千秋さん、小森陽一さん、このお二人の漱石の専門家による連続対談を収録した一冊。
その場でパラパラめくってみて、すぐに購入を決定(;^ω^)
本当は別な本を買うつもりだったが、予定変更し、二冊かうハメになった。
ここでお断りしておくと、今回の記事は書評のつもりではない。
関川さんの本の刺激 . . . 本文を読む
漱石論は現在でも汗牛充棟どころか、掃いてすてるほど多くの著作がある。
しかし、わたしにとって、漱石とはどんな小説家であったのかを教えてくれたのはこの一冊。
新潮文庫に収録されていたこともあったが、現在は絶版。江藤淳さんといえば、この一冊と「海舟余波」あたりだろう。
漱石論のうち、柄谷行人さんの漱石論も大半は読んでいる。
こちらもすぐれている。他にはたいしたものはない・・・とかんがえている。
わ . . . 本文を読む
見栄をはっても仕方ないから正直に書こう。
漱石について、である。
本人は夏目漱石を大いに尊敬し、愛読者のひとりのつもりでいるし、そんなことをだれかに話したり、どこかに書いたりしているけれど、じつはたいして読んではいないのである。
新潮文庫の目録でいうと、「虞美人草」「彼岸過迄」「二百十日・野分」は、いっぺんも読んだことはないし、読みたいと思ったことも、ほとんどない。「三四郎」「それから」「門」の三 . . . 本文を読む
漱石のあたらしい読み方を知ったのは、なんといっても江藤淳さんの「夏目漱石」で、いまの「決定版夏目漱石」(新潮社文庫)ではなく、たしか角川文庫から刊行されたものを読み、そのあと講談社の江藤淳著作集でもういちど読んだのではなかったか。
もうずいぶんと古くなって、カビが生えかけた、明治の遺産。
しかし、一方でそういった思いをふっきることができなかった。
要するについ数ヶ月まえまで、漱石に . . . 本文を読む
くだけた話口調で、ウイットとユーモアを効かせたつもりのようだが、どういうわけかそれほどおもしろくない。なぜかと考えると、まず、文体がない。文章があちこちで、ぎくしゃくしている。他人さまのことはいえた義理ではないが「こりゃ素人だな」といった印象が最後までつきまとった。
著者の経歴を見るにおよんで、ははあと納得。文藝春秋社の元専務とある。東大出で週刊文春、文藝春秋の編集長などを歴任しているというか . . . 本文を読む
文豪といわれて、だれを思い出すだろうか?
漱石、または鴎外をあげる人が多いのではないか。文学に関心のない人のあいだでも、知名度はそうとうに高いはずである。
・東北大学創立100周年記念
・朝日新聞入社100年
・江戸東京博物館開館15周年記念展
会期:2007年9月26日~11月18日
本書はその記念展の「公式ガイドブック」と銘打たれている。「漱石展」が開催されていることは知って . . . 本文を読む