4月16日に友人とふたりで、豊島区の雑司が谷霊園へいった。
夏目漱石の墓参りのためである。
われながら、ミーハーだな~、と思うが、
ウェブサイトを調べたら、漱石ばかりでなく、
永井荷風や小泉八雲の墓もある。
この1年、そういった作家の作品をいくつか読んできたので、
「文学散歩」に出かける気になった。
雑司ヶ谷の墓地は「自然」が残されていて、
野鳥や、昆虫がたくさん棲息していた。
後ろには池袋サ . . . 本文を読む
森鴎外の「雁」を久しぶりに読み返したので、感想を書いておこう。
新潮文庫に「山椒大夫・高瀬舟」「阿部一族・舞姫」という短編集があって、
これは5年にいっぺんくらいは読み返してきた。
文豪ということばがあるが、鴎外ほど、この表現にぴったりの文学者はいないだろう。
売文をこととして市井に生きる三文文士ではなく、軍医総監・医務局長を長く勤め、その後、帝室博物館総長、帝国美術院院長という、明治・大正の官僚 . . . 本文を読む
ミヤマセセリ
5月末から6月ころ、活字モードから画像撮影モードに切りかわる。
過渡的な期間はおよそ1ヶ月。その期間はいわばツーウェイとなるが、
ツーウェイの期間は、どっちもまことに中途半端な状態となって、
心が千々に乱れたりする。
本も読めないし、撮影にも身が入らないというのは、
なんだか、いたずらに時間がたっていくだけ・・・。
学生のころ、銀塩の一眼レフを買って、木村伊兵衛さんをまねて街角に . . . 本文を読む
去年いくつか買ってきた図鑑のひとつに、
「野の花」がある。
わたしの住まいは、高崎市街と利根川にはさまれた田園地帯なので、
一歩外へ出ると、田んぼの畦や、水路の土手が拡がっている。
そこに「野の花」はある。
そして、ツクシの土手が・・・。
土筆、ツクシ、つくし。
子供のころは、こういった畦道をつたいながら、小学校までの2キロの道を、
えっちらおっちら通ったのだ。
春の野には、子供心を浮き立たせ、 . . . 本文を読む
福岡さんは、狂牛病問題がマスコミで騒がれたころ、テレビに登場したのを見かけたことがあった。
生物学者という肩書きをお持ちのようだが、京都大学農学部の出身で、専門は「分子細胞生物学」らしい。
らしい、と書いたのは、わたしがそのあたりの予備知識をまったく持っていないからである。典型的な「文化系人間」なので、物理・化学は中学時代からかなり毛嫌いしていた。理科のなかで関心が持てたのは、生物、地学、天文学と . . . 本文を読む
ウィーンといえば、まず音楽の都。
そして世紀末芸術ということになるだろうか?
ローマによって防衛基地として誕生し、その後長らく、ハプスブルク家のオーストリア帝国の首都であった輝かしい歴史。
ここには、ロンドンやパリにはない、もうひとつのヨーロッパがある。
モーツァルト、ベートーベン、そして、いわゆるウィンナワルツの都。あるいは、マーラーのウィーン。
つぎにはクリムト、エゴン・シーレなど「世紀末の画 . . . 本文を読む
友人二人と東京散策の計画がすすんでいる。
わたしが訪問したいのは、夏目漱石に関連した旧跡。
ところが、三人が三人とも、いきたい所が違うので、日帰りでは、
少々きついスケジュールとなりそう・・・。
漱石の墓地がある雑司ヶ谷霊園と、本郷界隈、三四郎池がわたしの目的地。
そんなわけで、書店に足をはこんだら、司馬さんのこの本が眼についた。
読みはじめたら、おもしろくて、一気に読んでしまった。
このシリ . . . 本文を読む
子規の歌に、「春や昔十五万石の城下かな」
があって、よく知られている。
それを意識しながら「春はいま」としてみた。
うらうらといいお天気だった。
平野部では桜がほぼ満開だが、
珊瑚寺あたりまで登ると、まだ二分咲きといったところだろうか。
沼田市や奥利根まで足をのばせば、五月の連休をすぎても、
桜を楽しむことができる。
いろいろな場所に足をはこび、春を写してみた。
夏になると、 . . . 本文を読む