どんな質問にも
答えがあるとはかぎらない。
七色の虹のなかに黒は混じっていないし
数えきれない偶然の積み重なりの涯に地球が浮かんでいる。
孤独な地球 宇宙でたったひとつの。
気がついたらきみはここにいた。
壊れるまでは走らねばならない。
二十一世紀はまだはじまったばかりなのに
年々政治的分断がすすんでいる。
美しかった夏のあのバラもしおれてしまったな。
この風景
きみがいつも眺めているこの風景 . . . 本文を読む
これは答えではなく
ただの質問。
なぜ人は人を殺すのか?
二人三人ではなく 数百人数千人単位で。
プーチンを裁判にかけられないとはどういうことだろう。
たった二人を殺して死刑判決をうけた男がうめいている。
怒ろうが泣こうが あたりいちめん木も草も
ただあるがまま そこにある。
あの人もこの人も向こうの人も
招かれざる地球の客だね。
真っ黒な顔をした客がわさわさと犇めいている。
法服を脱いだ裁 . . . 本文を読む
■「甲賀と伊賀のみち、砂鉄のみち ほか」街道をゆく(朝日文庫)第7巻 「週刊朝日」連載1973年1974年1975年
「街道をゆく」を読みながら気になってきた本がある。
それは沢木耕太郎「深夜特急」である。
過去(40代の後半)に読みかけたことがあったけど、あえなく挫折。
沢木さんはノンフィクション作家、エッセイスト、小説家、写真家と、いろいろな横顔を持っておられる。
中でも「深夜特急」(mi . . . 本文を読む
■「壱岐・対馬の道」街道をゆく(朝日文庫) 第13巻 「週刊朝日」連載1978年
本編も司馬さんらしい観察眼が随所にただよっている。
なぜ「壱岐・対馬」へ出かけたのかが興味の焦点であった。司馬さんという人は、若いころから文明の“へり”(縁)に強く惹かれている。
だから大阪外語でモンゴル語を選択したのだ。
辺境ではないが、辺境に近い“へり”の地域が持っている、文化的な累積地層を眺め、虫眼鏡で観察す . . . 本文を読む
わが家にカッコウ(カッコー)がやってきた(^^♪
まともに撮影できたのははじめてかしらね。マニアな方にはめずらしくも何とないだろうけど。
洗濯物を干しに屋外へ出たら、敷地を横切る電線(引き込み線)でご覧のように、元気に鳴いていた。6月になると声はしばしば聞こえてくる。
もっとシャープに写し止めたかった(;^ω^)
いつのころからか、カッコウとホトトギスを混同していたぞ!
ふむむ。
. . . 本文を読む
世の中は目にはよく見えない無数の椅子でできていてね。
その椅子にはほとんどだれかが
すでに座っている。
ぺちゃくちゃぺちゃくちゃしゃべったり
むっつりと黙り込んだり。
そしてその椅子を蹴倒したり蹴倒されたり
物や人の壊れる激しい音が聞こえる。
昨日も今日も戦争があったんだってね。
ぼくは数本の色鉛筆で絵を描いている。
途中で投げ出してしまうから
いつまでたっても絵は完成しない。
完成しないから . . . 本文を読む
いっしょに年を重ねてきたものっていいな。
なつかしいというか 独特な酸っぱさ甘さ
あるいはサビのような不思議な味がする。
そうぼくは古くなったフィルムカメラに向かってつぶやく。
見慣れたものにばかり囲まれて生きている
高齢者らしい平和な サビ色の生活。
それを乱すものがいたら
敢然と立ち向かったりしてね カマキリ戦士のように。
見渡すかぎりの田園のかなたにポツンポツンと灯が点っている。
だれか . . . 本文を読む
■初夏の夜
また今年(こんねん)も夏が來て、
夜は、蒸氣で出來た白熊が、
沼をわたつてやつてくる。
――色々のことがあつたんです。
色々のことをして來たものです。
嬉しいことも、あつたのですが、
囘想されては、すべてがかなしい
鐵製の、軋音さながら
なべては夕暮迫るけはひに
幼年も、老年も、靑年も壯年も、
共々に餘りに可憐な聲をばあげて、
薄暮の中で舞ふ蛾の下で
はかなくも可憐な顎をしてゐるので . . . 本文を読む
ゆっくりと形を変えてゆく雲の下で
カリンのど飴をしゃぶっていた。
「こげて図太いヒマワリが
田舎の駅には咲いている」
・・・と中也は書いたけど
そういう淋しい駅が
上州にはたくさんある。
現在だって ある。
ほらほら 駅員がひとりもいない
おばあさんの追憶の底で忘れられてしまった駅。
「青春は遠いとおい日の花火」だと だれがいったか。
きみもぼくもそれに夢中になったことがあった。
すぐに . . . 本文を読む
福田みどりさんに阿川佐和子がインタビュー。
本名は福田定一という。司馬遼太郎と名乗ってから徐々に本領を発揮しはじめる。本人はむろん、奥様もそこにいる人が“鳳”であることに気がついていない。
人生の機微とは?
https://www.youtube.com/watch?v=2DVFETCNBaU
人生の機微とはそんなものだろう。BGMのショパンが胸にしみるなあ♪
写真は長いあいだ捜してようやく . . . 本文を読む