石切の風景 間﨑 学
間﨑さんの絵を一言でいえば、精緻でリアルな風景画。
もちろんこんな言葉だけでは足りませんが、その細部にわたって意識が澄み渡っているのです。
この絵は、前回の二人展で展示した小品。はがき大の作品ですが、
思わずかってしまいました。
私の所蔵作品です。
間﨑さんのナウイズムは、今この時、この場所を愛すること。
本人がじかにそんな話をするわけではありませんが、絵に接すると分かります。
石切の中腹に居を構え、その場所の瞬間を絵にしていくのです。
その風景にこだわる姿に不純なものはありません。
風景を描く絵画コンクールで何度も受賞を重ねているのもうなずけます。
私の驚く精緻さは、
この絵を見て頂けば分かります。
125㎝×65㎝、
ご覧になっているPCの画面によっては、実物より大きく表示されているかも分かりませんが、葉っぱの落たケヤキの枝の一本は、髪の毛より細いでしょう。
その枝の形に迷いはありません。
二柄先生の言葉を借りて言えば、心の思いがそのまま線になって現れている。書に近い描写のように思えます。
菜の花もその一輪一輪が見えるようです。
一転してこんな絵もあります。
石切から見た大阪平野の夕暮れ 中央は阿倍野ハルカス
光の一点一点を描き分けたような絵を見ていると、自分の心が、温かい粒子となって漂って行く気がします。
外の風景を内側に引きこんでいく作品に魅力を感じます。
私の作品との対比は、作風の内外に及んで、面白い対話となる
そんな気がいたします。
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これ、まさにまさに、
わたしが目指している境地なのですよ。
大人のままで子供の世界に入っていく。そこに汲みつくせない大きなものが横たわっている。
そんな気がします。
ありがとうございます。