心のデッサンで大切なことは、いま、この瞬間に生きている自分の心と向き合うということです。これが案外簡単なようで難しいのです。
明日の心配をしたり、昨日の失敗を悔やんだり、せっかくゆったりとした今があるのに、こんなことをしていると社会から取り残されると心配したり。
とかく心というものは落ち着きのないものなのですね。
せっかく、いまという真実の上に乗っていながら、心はあらぬ方向に飛んで行ってしまうのです。
心のデッサンはそれではできません。自分の心をうわの空で眺めていてはデッサンはできませんよね。
だからこういうことです。心のデッサンというのは、自分の心をしっかり観るということ、それが心のデッサンになるのです。
では今日は母子像の、母のほほと子供の腕が重なった部分にピッタリな色を探します。自分の中に生まれるイメージをしっかりつかむこと、これも練習です。
その上で私の作例を、ある意味批判的に観ていただきたいのです。あなたの心が主人公なのですから。
左の目の色とおなじ青はどうかな
母のイメージが勝ちすぎますね。
ではこれは?
今度は子供のほうに意識が引っ張られてしまいました。強い色が全体をばらばらにしてしましそうです。
では子供の右肩と同じ色ではどうでしょう?
前より良くなりましたが、しかしこれでは子供の姿が強調されすぎて、母親が戸惑っている感じがします。
では弱くしてみます。
よくなりましたね。母とこのダブルイメージが、うまく融合しています。ただ、悲しすぎます。何か希望が見えないのです。母の愛は、ただ子供の心を受け入れるだけではだめですよね。子供に希望の明日をみてほしいのです。この色はそんなイメージではないみたい。
では次は?
だめ。
もっと暖かい色は?
赤ではだめだね。エネルギーが強すぎます。
すこし色味のトーンを落としてみたら?
茶色なら少しは和らぎますが、私の心が反応しない。違うんだ。
オレンジは?
いいね。少し心が動きましたが、でも暖か過ぎるのが気になる。もう一つピンと来ないのですね。
青系も赤系もダメなら、みどり?
あ、これだ。
私の体験では、この色を見た瞬間、心にあったわだかまりのような壁がスーッと消えて、絵が心の中に広がっていく感じになります。心と絵の境界線なくなって、ひとつになるようなイメージです。
これは心のデッサンの完成度を測る一つの基準なのです。あなたにもそんな体験をしていただきたいと思います。
さて、ここまで来たら、あとは一気にいきましょう。子供の胴と足で完成です。それは次回。
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