御住職の講話は短いものだったが、強く私の心に響いた。
世の中は物事の良し悪しを区別して苦悩をつくりだしているという意味のお話で、
阿弥陀様は良いも悪いもひっくるめてお救いになられる。
良し悪しで悩むより、阿弥陀様に身を任せて今の命をありがたく生きればいいのだと教えられた。
その時ご自分のことを引き合いに出されて話されたことが、私には衝撃だった。
癌を患い、胃を切り取った。その術後の経過が悪く、腸の癒着を引き起こした。逆流して便が口から出る苦痛を味わい、2度も腸の摘出施術を受けたということだった。
そんなことでも、悪いと考えずに身を預けたら、健康のありがたさを教えられると。
淡々とした御住職の中にある壮絶なもの。
私は「浄土」奉讃会の案内チラシの完成版を手渡そうと持ってきていたが、なんだかあまりにも自分のことばかりと思えて、そのまま渡さずに帰ってきた。
苦楽を描くためには、この壮絶さを少しでも意識しておく必要があるだろう。よくわからないままに私は箱虫のモデルをくしゃくしゃに握りつぶした。
それが前回の画像だ。
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