3月に入って卒業式も終わり、瞬く間に最後の行事が進行していく。来週は入試関係の実務が続いて、新入生を受け入れて、その半ばで私の使命は終わる。
私の身にまとわりついた公務なるかせもあと半月あまり、自由の身となって温室から追放される日は目前だ。
心を空にすれば、私は生まれたての赤ん坊と同じレベルになる。
借金0、収入0、扶養者0、国家の枠を見なければ、私は私自身のためにだけ呼吸をする無垢の命となる。
この呼吸が私自身のためだという事実が、私が宇宙の一部として祝福されている証しだと思えるようになった。
誰もが無垢なる命を生きている。
悲惨な通り魔殺人、おぞましい叫びを上げる映像を見て怒りと悲しみが私の心に広がる。
怒りは、私の自我からやってくる。
そして悲しみは、私の外にある本願から出てくる。
あの殺人鬼にも無垢なる命が囚われている。
その無垢なるものの上に覆いかぶさっているもののおぞましさを想像すると、がれきの山にうずもれて一生出られないのではないかと思われる。
ガレキトハナニカ
それこそが自我のつくりだした幻の衣なのだ。
絹の衣だってつくり出せたのに、誤ってガレキノ衣を作り出した自我に包まれた無垢なる命に悲しみは深い。
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