妻を始めて知ったのは大学のキャンパスだった。彼女は人形劇のサークルに参加していた。私が参加しているサークルとの交流の場に彼女がいたのだ。名前が芹里奈だと知ったのはそのときの自己紹介でだった。
私は一目で心動かされたが、すでに彼女には恋人がいた。
二人は同じサークルの仲間で、いつも行動を共にしていた。そんな二人を見かけるたびに私はジェラシーを感じて目を伏せるしかなかった。
大学を卒業すると、私は今の会社に就職した。芹里奈のことは大学と共に遠く過去のものとなった。何事もなければおそらく思い出すこともなかっただろう。
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