のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

「浄土」苦楽

2014-03-17 | 組作品「浄土」

「浄土」苦楽最後の作品は のしてんてん系宇宙 の主題であるスケールを意識して画面に大小のスケールを同じ画面に配置した。

世界は大きなスケールと小さなスケールが同時に存在している。それを可能にしているのが空間だという思いが、随分前から私の思いの中にある。

私たちはすべて空間に浮かんでいる。あるいは空間に包まれている。私は地に足を付けていると反論する人は大きなスケールで世界を見ればすぐにわかるだろう。足を付けている大地は丸く、まわりは空間しかない世界が見えるだろう。

自分の体を独自のものだと思う人は、小さなスケールでその自分を見れば自分を独自と思う根拠がどこにもないことに気付く。あるのは空間なのだ。

この体を作っている原子のスケールで観れば、原子の宇宙が広がっている。どこに自分の体を区別する境界線がある?そこにあるのはただ一つの空間だ。空間はこうしてスケールの違う世界を同時に散在させている。世界の本質なのだ。

別の話だが、たまたま見たNHKの日曜美術館で 藤城清治 影絵の世界を紹介していた。89歳という。自分の作品の裏側を惜しげもなくさらけ出して見せる内容に、私は大成した藤城清治の心を感じてつい見入ってしまった。そしてここにどうしても書かなくてはおれない瞬間を見てしまったのだ。

宮沢賢治の世界を影絵にするというライフワークを紹介する主題の放送で、風の又三郎の制作に密着取材する映像が続く中、ようやく最後の作品を完成させた。それを前にした藤城清治の嗚咽をもらす瞬間が二度も放送されたのだ。

89歳の涙。純粋に生きる者だけが得る至福の涙だ。

人の美しさを見せていただいた。

それをどうしてもここに書きたかった。

 

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