のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

苦悩の意味

2015-04-15 | 人間力

私の最も古い苦悩の記憶は母の涙だった。

炬燵があったので、まだ寒い日だったのだろう。両親の激しい喧嘩の末、母が横にいた弟を炬燵の向こうに座っていた父に投げ、私の手を引いて家を飛び出した。

「この子だけいたらええ」その時の母の言葉がこびりついている。

私は母の連れ子だったということを知ったのは随分後のことだったが、母との特別な関係を体の方から先に覚えたのだ。

母は私の手を握ったまま、川べりの道に立っていた。母の涙が私の心に不安と悲しみを誘った。

嫌われたくない。いい子になる。そんな思いが根雪のように私の心に残り続けた。

半世紀にわたる私の苦悩はそこから始まっているのかもしれない。

苦悩の痛みだけに目を奪われて、心の中で痛みを訴えているものが何なのか、考えることもなかった。

痛みから逃げようとしたり、痛みをなくそうともがくばかりで、悲鳴を上げている本性に気付かなかったと言ってもいいだろう。

苦悩の痛みは、私に本性示し続けてきた。そう理解したとき初めて、私ははっきりした意識の中で自分の本性と出遭ったのだ。

本性とは、宇宙、仏性、神、波動、その他真理を表すあらゆる言葉と同じ所を指示していると私は信じることが出来る。

今年5月に私の絵を展示させていただく浄光寺(浄土真宗)で言えば、阿弥陀様ということになる。10年間個展を続けさせていただいた全興寺(真言宗)なら、大日如来そのもの。また昨年展示させていただいた観音寺(曹洞宗)でいえば無ということになる。

苦悩がやってきたら、しめたと思えばいい。痛んでいる場所に感謝して寄り添い一つになる。苦悩は消える。

「大丈夫、心配するな、何とかなる。」

一休さんの言葉だと聞いた。

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 苦悩をみつめて | トップ | 絵画は万人のもの »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

人間力」カテゴリの最新記事