私の言った言葉に偽りはなかった。確かに私はその日、家庭のぬくもりを覚えたように思えたのだ。
その後A子は、つくりすぎたのでと言っては、しばしば弁当を私に持ってくるようになった。
断る勇気もない私はいつもあいまいな言葉を発してそれを受け取った。実際なんと言っているのか私自身わかっていない、そんなあいまいな心のままにうめきが声になった感じである。
私はA子のそんな好意を疎ましいとは思わなかった。
それよりも私自身の心がA子に惹かれていくことに恐れを抱いていたのだ。
これ以上A子が近付いてくれば、私の愛は内部から崩壊する。
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