アキレスとカメ 2

現実には足の速いアキレスはすぐにカメを追い抜いてしまうから、
このパラドックスは時間を無視したところに誤りがあると言われる。

だが、宇宙が（時間の軸）と（スケールの軸）から成り立っていると考えると、
このパラドックスはまったく正しいことが分かる。

アキレスとカメは、何の矛盾もなく上の図のようにあらわされる。
放物線を描く●は互いの距離を示しているが、その距離が無限に小さくなりながらスケールの軸に沿って下がっていくのが分かるだろう。

このとき時間は際限なく現在に近付いていくことが分かるだろうか。時間が進んでいかないのだ。

宇宙は、スケールの方向に進むと時間が停止し、
時間の方向に進むと、世界は一つのスケールにとどまる。

アキレスとカメの物語は
私達にたとえようもなく巨大な宇宙を認識させてくれるのだ。
それを次回紹介しよう。

（続く）