私の作品は鉛筆の線だけで成り立っています。
何度も書きましたが、線は物質です。
キャンバスに何本線を引いてもそれは物質のままなのです。
これはF100号のキャンバスですが、完成までにおよそ14000本の線を引きます。
キャンバスが鉛筆の線で埋め尽くされても、それは物質のままなのです。
ところがある時点で突然状況が変わります。
たとえばまばたきをしたり、ちょっと視線をはずして再び画面を見たときに状況が一変しています。物質だった画面がのしてんてんの空間に変わっているのです。
心の大地が闇の空間に広がる世界。物質だった鉛筆の線が空間に変化するとき、私は何度もその瞬間を見極めようとしましたが、いまだにそれを見ることは出来ません。あるとき突然生まれるもの、そう理解するしかありませんでした。
何本も心の線を引き続けると、あるとき突然融合が起こる。
私はこのことをそう解釈しました。
事実、空間が見えてくると物質も精神も消えてしまうのです。
それは山の頂に登りきった時の感覚にも似ています。
物質と精神が心という存在に昇華したのです。
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