(追われても堂々として歩いている。。。ソンナスガタヲワタシハスキダ)
のしてんてん絵画は、布のキャンバスの上に鉛筆(シャーペン)一本で描きます。黒い背景は何度もひいた線の重なりです。ですから基本白黒です。
仕上げには鉛筆の粉を定着させるために、黄土色で着色したニスを吹き付けます。
今回のように、てんとう虫などを色つきで描くことは例外です。ただ、てんとう虫だけは私の一番好きな虫で、去年思うことがあって、名刺大のキャンバスに、てんとう虫を主人公にした小品を100枚描きました。その流れで描いたクローバーとてんとう虫の作品です。
ところで、この絵に関する質問でした。
白黒であるはずのクローバーの葉っぱが緑に見えるのはなぜかいう疑問でしたが、その秘密ですね。
秘密は、いくつかの要因が重なって、クローバーの葉の色を感じさせてくれるのですが、まずキーワードを上げてみましょう。
①無彩色(白黒) ②)補色 ③「ことば」の力=虚構性 ④着色ニス ⑤クローバー
①絵は鉛筆で描いたものですので、当然色はありません。白黒の世界。これを無彩色と言います。時々テレビで白黒の映像を流しているのを見ますが、面白い体験をします。色のないはずの映像に色を感じてしまうことがあるのです。
無彩色に出合うと、人は自分の心をそこに反映しようと働きます。無意識にこの色は何色という問いかけをしているわけですね。そこでクローバーの形を認識しますと、頭脳が勝手に色も一緒に思い出してしまうのです。目は無彩色を見ているのに、頭は緑を思い浮かべているのです。面白いですね。
②仕掛けその2は、補色です。
無彩色の絵に、赤いてんとうむしを配置しました。この赤は、実際に緑を見せる働きをするのです。これを「補色」というのですが、図の色の円で、それぞれの真向かいの色(赤の場合は青緑)が補色関係にあるというわけです。赤を見続けていると、心がバランスをとろうとして反対の色を創ろうとします。夕陽を見て目をそらせると、夕陽の残像が緑色に見える。そんな経験をしたことはありまあせんか。それと同じ効果があるわけなのですね。
ちなみに赤と緑の絵の具を混ぜ合わせると灰色になりのですよ。面白いでしょう。
③「四葉のクローバー」、このことばの持っている幸せのイメージはとても大きなものです。日本でも西洋でも、古くから培ってきた幸せのイメージは大きいですね。よい意味の言葉の虚構性が働きます。クローバーを思い描けばそれだけで、心の中がしあわせに向かうわけです。そのしあわせは緑色とつながっていきます。クローバーの色。
コラボの相手であるこの絵を観て、私は瞬間にクローバーを連想しました。明るい青と鮮やかな黄色、そこから生まれてくるみどり、そして一点の赤、まわりの色を映す白い虹と花のリズム、そんなイメージの中で、「しあわせの中に」が生まれたのです。
無彩色のクローバーに緑色を感じるのは、総合的にはこのクローバーの持っている言葉の力なのです。白魔法といえばいいでしょうか。
④最後の仕掛けは、着色ニスの仕上げです。ごく薄い黄土色が、心を暖かい方向に向かわせてくれます。無彩色の絵に、ほのかな温かさを感じさせることで、クローバーの言葉の意味を強調するのです。
つまり、こういうことです。クローバーに見えるみどりは、絵の中にあるのではなく、その絵を観る人の(あなたの)心の中にあるものなのです。
うん、納得。
私の心が緑に見せてたんですね♪
なんか、この絵を見るたびに
幸せを感じてます!
のしてんてんさん、ありがとう(^-^)/
この絵に緑が見えるというのは、理路さんの心の中に、しあわせになる力がいっぱいあるということなのですね。
私はいつもこんな絵を描きたいと思ってきました。理路さんのおかげです。ありがとうございました。