のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

母のリハビリ絵画録5

2018-06-25 | 心のデッサン無料公開授業

(5)2009.10.5(ブログを立ち上げた日)

 

 

母の絵をたくさんの人に見てもらいたい。そして励ましをもらえたら母も喜ぶにちがいない。そんな思いでブログを立ち上げた。

絵など描いたこともない母、デッサンなどまったく出来ない母、そんな母でも線を引くことは出来る。そう信じて二人で始めたお絵かき教室。それが10ヶ月を越えた。

母は気付いていないけれど、画力は随分上達した。なめらかに線が引けるし、はっきりとした意志を持って色がぬれるようになってきた。 

「こがな、くさったげな絵、恥ずかしいよぅ」いまだにそう言いながら、毎週1枚絵を描いている。

デッサンの出来ない母の絵には、見たままの林檎や花などはない。在るのはただ思いつくままに引いた線と色だけだ。それでも立派な絵になることを母の絵は教えてくれている。抽象画それが母の絵だ。

たくさんの人の感想を聞きたい。私のそんな思いもこのブログにはこめられている。

 

 

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絵とは全く無縁だった母が、訳が分からないままに線を引き、色をぬる。

今思えば、これは母よりも私の方が新鮮な喜びを与えてもらったような気がする。

人って、こんなことが出来るんだ!

私は毎週母のお絵かきを目にするたびに思った。ベッドの上で、生きるしかばねのような母の姿を見て、閉塞する私自身の心が、線を引く母の姿をどれほど感動と喜びで見つめたことか。

たとえ一瞬でも、ひとが生きいきと輝く姿は素晴らしいし、その姿に触れるときの感動は人間の本能なのかもしれない。

当時の記事を書いたブログは、母の絵を投稿して、意見を頂く趣旨でひらいたものでしたが、何人かのリピータからありがたい応援メッセージを頂き、とても勇気づけられました。

心のデッサンという考え方がこのころから私の中に見え始めました。

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4 コメント

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Unknown (sure_kusa)
2018-06-26 02:44:39
うわっカラフル ♪
何かまるまるが沢山ありますね。
お母さまは、心の中にある何かをデッサンしたのかもですね。

右下の少しぼやけた黒いまるまる・・「 ほれ、こんな感じの こんな感じのさ 」
って思いながら描かれたのかなぁ ♪
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sure_kusa様 (のしてんてん)
2018-06-26 09:26:27
手が自由に動くようになってきたのだと思います。

一本の線を引くのにもオロオロと迷い線がでる段階から、
何も考えないで手が動くようになる。
すると今度は
想いがそのまま手の動きになる。

線が自分のものになると、心が線の上に乗るようになるのですね。

母のグルグルは、案外そんな想いだったのかもしれません。

いつもありがとうございま^す^

返信する
想いの全てを…文に…。 (人生の素人:折師)
2018-06-26 21:01:26
 ※絵の(ブログを立ち上げた日)の文を見て、さかのぼって…「だっしゃないのぅ」(恐らく当時のブログかと)を勝手ながら見せていただきました。
 長文になったことはご容赦を……。

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 本当に初めての絵、そして色を使い始め、気分が乗るときもあり…乗らぬ時もあり…、一言に楽しいときもあり、納得いかない・頓挫の時もあり…80歳の母が人生初めて絵を描く…

 その姿、絵と ありのままの描写の文が描く”人生の絵物語:絵本”が

 涙ぐむほど…奮い立ち、絵の変遷に嬉しさを覚え、心からこぼれてくる端的な言葉に想うものがある。

 この絵にしても、早く書いた線・太くしっかり書いた線 濃く塗りつぶした暖色・薄目にぐるぐると書いた寒色…
 様々な心の動き、その流れが作り上げた…と個人的には感じています…。

 …きっと墓前で伝えられると信じて…ひとつ、”花子様に伝えていただきたい言葉”をここで…。

 「花子様。あなた様の絵と言葉と、心を起こしたブログ記事…人生を絵本にしたようなその記事に

 その姿に心が奮い立つほどの感動をした人が…ここに明確に1人いる…ことを。」

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 ”在るのはただ思いつくままに引いた線と色だけだ。それでも立派な絵になることを母の絵は教えてくれている。”
 ”人って、こんなことが出来るんだ!”
…本当ですね…本当に…!!

 …花子様のご冥福と…来世での人生の謳歌を願いて…。

 改めて、素晴らしい絵と記事全てに…心からの感謝を…!

 長文失礼しました…。 人生の素人:折師〆

 
 

 

 
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折師様 (のしてんてん)
2018-06-27 08:20:05
心のこもったお言葉をありがとうございました。

母も喜んでいることと思います。しっかりと折師様の言葉を伝えたいとおもいます。

人はどんな時でも最善を生きることが出来る。
今を丁寧に生きていけばそれだけでいいということを母は教えてくれたのですね。

この記事は、当時のブログを再掲して母の命日に冊子をつくったのですが、それをこのブログで紹介したものです。
その再掲ですが、しばらく続けますので、引き続きご覧ください。

心からのお言葉、本当にありがとうございました。感謝申し上げます。

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