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肥後の民話「彦市ばなし」を日本舞踊で! ~ にっぽんの芸能 ~

2013-07-26 23:18:42 | 音楽芸能
今夜の「にっぽんの芸能」(NHK-Eテレ 22:00~)は、熊本ゆかりの劇作家、木下順二の書いた舞踊劇「彦市ばなし」が放送された。この「彦市ばなし」は数ある「彦一話」の中で「天狗の隠れ蓑」という話を舞踊劇化したもの。浄瑠璃も役者のセリフも「八代(やっちろ)弁」で、熊本県人は思わずクスッとなる場面が随所にあり、尾上菊之丞、若柳吉優人、若柳庸子の三人がそれぞれ彦市、殿様、天狗の子に扮し、踊りや「やっちろ弁」のセリフを軽妙洒脱に演じ切った。





「彦一話」について熊本県大百科事典には下記のとおり解説されている。

▼彦一話
 八代地方の代表的な民話。彦一と呼ばれる頓知者が主人公で、殿様、天狗、狐、狸などを持ち前の知恵で打ち負かすというのがモチーフになっている。彦一は江戸時代八代城下の出町に居住したといわれ、同町光徳寺の過去帳に「安政三年(1856)正月四日彦市祖母、同五年十月二八日出町彦市娘」などと記されているが、主人公の彦一と同一人物であるかどうか確証はない。話の内容から彦一という人物は中年で体格がよく、学はないが知恵と才覚があり、職業は雑穀屋、傘屋、百姓などと一定ではない。ずる賢い面もあるが、暮らしが貧しいため反抗精神は旺盛。八代地方に残る民話の数は50を超える。有名なものは「天狗とかくれ蓑」「ガラッパ釣り」「はなせ はなせ」「あまんじゃく」「彦一の災難」など。光徳寺境内には彦一塚が昭和26年(1951)11月3日建立され、毎年供養が行われている。(奥野広隆)