
このドラマの制作が発表された時、僕は朝ドラ「カーネーション」の渡辺あやが脚本を担当することを期待した。しかし、発表された脚本家は藤本有紀。「ん?平清盛の!?」まぁ、僕は大河ドラマ「平清盛」はほとんど見ていないので何とも言えないが。しかし、数年前の朝ドラ「ちりとてちん」は結構評判良かったし、「夫婦善哉」は「ちりとてちん」同様、大阪の人情喜劇だしな、などと考えていた。
僕が感じた不満その一。森山未来演じる柳吉のキャラクターがよくわからない。ただの駄目なボンボンにしか見えない。僕らの世代にとっては森繁久弥さんの柳吉の印象が強いせいもあるが、番宣で「どこか憎めない・・・」と言われても、そんな気持ちが起こらない。オダサクの原作にも書かれているように蝶子が一目惚れするほど、一見仕事ができそうな男にも見えない。森山未来は「セカチュー」以来、多くの映画やドラマで見ているが、けっして演技がヘタな男優ではない。やっぱり脚本のキャラ設定に問題がありそうだ。
不満その二。大阪弁独特のセリフのやりとりが期待したほど面白くない。これが渡辺あやだったら、もっと鋭いやりとりがあったのではないかと、ついそんなことを考えてしまう。
不満その三。豪華な俳優陣が脇を固めているが、その人がその役にキャスティングされた意味がイマイチよくわからない。まぁ、テレビドラマにしろ映画にしろ、キャスティングなんてそんなものなんだけどね。未来クンの言う「BK」組ってやつですか。余談だが、僕らの子どもの頃、熊本放送局のことを「GK」って呼んでいたなぁ。
そんな不満の一方で、オノマチは絶好調!蝶子のキャラにドンピシャ!という感じだ。宝田明さんの言う「高峰秀子のような大女優」への階段をいよいよ登り始めたか・・・