徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

種田山頭火と藤崎八旛宮のお祭り

2013-08-29 16:27:45 | 文芸
 山頭火のネタをもう一つ。「行乞記」の冒頭には、熊本を出発して八代や人吉の町を行乞して歩いたことが書いてある。昭和5年9月14日から16日の間、山頭火は人吉の木賃宿「宮川屋」に3泊しているが、その9月15日のところに藤崎八旛宮の秋の例大祭のことが次のように書かれている。

九月十五日 曇后晴、当地行乞、宿は同前。
けふはずゐぶんよく歩きまはつた、ぐつたり労れて帰つて来て一風呂浴びる、野菜売りのおばさんから貰つた茗荷を下物に名物の球磨焼酎を一杯ひつかける、熊本は今日が藤崎宮の御神幸だ、飾馬のボシタイ/\の声が聞えるやうな気がする、何といつても熊本は第二の故郷、なつかしいことにかはりはない。
あはれむべし、白髪のセンチメンタリスト、焼酎一本で涙をこぼす!

 小泉八雲が友人に宛てた手紙の中にも登場する藤崎八旛宮のお祭りは、山頭火にとっても印象深いものだったらしい。



≪お断り≫
この歌には、現在では好ましくない表現が含まれますが、作品のオリジナルを尊重してそのまま再生します。ご了承ください。

映画「山頭火」製作が頓挫の危機!

2013-08-29 11:24:34 | 映画
 自由律俳句の巨人、種田山頭火を描く映画「山頭火」の製作が、資金難のため頓挫の危機にあるらしい。中山節夫監督(熊本県合志市出身)がメガホンをとり、今年7月には完成、11月に公開予定と報じられていたが、当初見込んでいた製作費の資金集めのメドが立たず、まだ配役すら決まっていないという。製作費を圧縮し、来年2月ごろまでには完成したいとしているが、はたしてどうなることやら。
 そこで疑問に思うのは、山頭火のファンは全国にいるし、山頭火が放浪の旅で立ち寄ったゆかりの地も全国にある。中でも熊本県は出身地の山口県と並んで最もゆかりの深い土地。にもかかわらず、一般市民から募ったという制作協力券(1枚千円)の話など、これまで聞いたことも見たこともない。すぐにでも協力したいのだが・・・
 資金集めは本当に手を尽くしたと言えるのだろうか。旅をすると「山頭火ゆかりの…」と謳った観光地によく出くわす。山頭火の恩恵を受けている観光地は多いはずだが、資金協力依頼はどのように行われたのだろうか。
 ともかく、多少計画は遅れても構わない。この映画が必要な資金を確保し、完成・公開される日がやってくることを願ってやまない。