昨夜の「熊本いのちの電話・チャリティ公演」のプログラムの中で、僕が最も興味深かったのは終盤に演じられた「花街おどり」の中の花童4人による「念仏踊り」だ。江戸時代の花街に、はたしてこんな門付芸人たちが往来していたのかどうかはさておき、「念仏踊り」が今日の日本舞踊や歌舞伎の源流となった歴史を再び思い起こさせてくれた。
800年ほど前に始まったといわれる「念仏踊り」はその名のとおり、念仏を唱えながら踊りをそえるという、あくまでも宗教行為だった。今日もそのまま残っているものもあるが、400年前に革命的なことが起きた。それが出雲阿国の登場である。阿国は宗教から踊りを解放した。「念仏踊り」を芸能化したのである。そして阿国はさらにそれを「歌舞妓踊り」へと発展させていく。今日、阿国が日本舞踊および歌舞伎の始祖とリスペクトされるのは、まさにそのことによってなのである。
昨夜、中村花誠さんの振付によって花童が踊った「念仏踊り」は、阿国の時代よりずっと後の時代設定だが、今日の日本舞踊の中に色濃く残る「念仏踊り」の進化の名残りのようなものを感じさせた。
▼昨夜、花童が踊った「念仏踊り」
▼「阿国歌舞伎夢華」(2012年日本舞踊協会公演)における「念仏踊り」
800年ほど前に始まったといわれる「念仏踊り」はその名のとおり、念仏を唱えながら踊りをそえるという、あくまでも宗教行為だった。今日もそのまま残っているものもあるが、400年前に革命的なことが起きた。それが出雲阿国の登場である。阿国は宗教から踊りを解放した。「念仏踊り」を芸能化したのである。そして阿国はさらにそれを「歌舞妓踊り」へと発展させていく。今日、阿国が日本舞踊および歌舞伎の始祖とリスペクトされるのは、まさにそのことによってなのである。
昨夜、中村花誠さんの振付によって花童が踊った「念仏踊り」は、阿国の時代よりずっと後の時代設定だが、今日の日本舞踊の中に色濃く残る「念仏踊り」の進化の名残りのようなものを感じさせた。
▼昨夜、花童が踊った「念仏踊り」
▼「阿国歌舞伎夢華」(2012年日本舞踊協会公演)における「念仏踊り」