縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

ボクはゲージツ家なんだナ・・・ヒスイ界の山下清の独白

2024年10月18日 06時42分57秒 | ぬなかわヒスイ工房
外国人観光客を連れてくる人がけっこういて、なぜか中国系とアメリカ人は面白がっても買い物せず、フランス人は縄文オカリナに興味をもって買ってくれる。
ホラ貝でフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」「おおシャンデリーゼ」を吹いてあげたら合唱になるノリのよさもあって、あなたはとてもシンセツでスバラシイゲージツ家ですと、翻訳アプリで褒めてくれたりするのでウレシイ。
なんとか吹けるようになったんだナ。
縄文オカリナほしいというから、ゆーきゃんせれくとでぃすと怪しい英語で説明
 
漢字の芸術家ではなく、カタカナでゲージツ家と呼ばれていると自認するのがボクなんだナ。ボクはヒスイ界の山下清なんだナ。メルシイ
 
注)ウレシイとメルシイで韻を踏んでいるところがゲージツ家の面目躍如である
 
 
 

縄文と弥生の勾玉のコラボが生むモノガタリ・・・門前町の無斑晶質安山岩製連珠「能登之神」2作目

2024年09月19日 07時25分56秒 | ぬなかわヒスイ工房
門前町の無斑晶質安山岩でつくった勾玉連珠「能登之神」(その2)
1作目は弥生後期の山陰系の実物大勾玉を中央に据えた左右に、弥生後期~古墳前期の小型勾玉を配したが、2作目はシャープな印象の縄文早期の牙玉状の勾玉を配してみた。
今のところモデルにした糸魚川市の大角地遺跡出土の滑石製の勾玉は最古級の勾玉のようだが、獣の犬歯を石でつくった牙玉とみるのが適当だと思う。
 
クニという概念のなかった縄文のプリミティブな勾玉と、クニが出現しつつあった弥生の優美な勾玉のコラボは、観た人、身に着けた人に色んなモノガタリが生まれそうだ。
それにしても大角地遺跡の勾玉だけをみるとカタクチイワシのようですナw
 
 
 

灰皿と火焔土器の類似性について考えるw・・・ヒトラーが選挙で選ばれたことを忘れちゃダメですぞ

2024年09月18日 07時14分29秒 | ぬなかわヒスイ工房
うわぁ、これも火焔土器ですかぁ?!
んな訳ないでしょ、灰皿っ!あっしゅとれい!それに火焔土器じゃなくて火焔型土器!(むしろ形状は王冠型土器にちかいけどネ)
 
すご~い。自分でつくったんですかぁ?!百均で買ったプラスチック製っ!(怒)
 
マジでそう思ったのか冗談なのか不明ながら、天真爛漫もすぎると危険だぞw
 
ヒトラーが選挙で選ばれたことを忘れちゃダメ。
 
戦前の日本ではヒトラーとムッソリーニは英雄視されたし、軍人も政治家も、そしてマスコミも「バスに乗り遅れるな」と三国同盟を主導して、太平洋戦争に繋がっていった。
 
自分で調べて考えないと、また「騙された!」と騒ぎだすことになるヨ。ふんとうにっ!
 
 
 

古の勾玉からヒトを学ぶ・・・出雲・眞名井の勾玉

2024年09月08日 08時11分16秒 | ぬなかわヒスイ工房
出雲大社ちかくの「眞名井遺跡」から出土した勾玉のレプリカを観察する機会があって、写真や実測図ではわからない頭部~尾部にかけての面取り具合を確認できた。
この勾玉は極上のロウカンヒスイであることを抜きにしても、独特のシュッとしたスマートさが魚が泳ぐような動きを生んでいて、北部九州と並んで勾玉の最高傑作のひとつだと思う。
山陰ではヒスイは加工されてなかったそうだが、北部九州の定形勾玉とは明らかに系譜がちがうし、見慣れた東部北陸の勾玉ともちがう系譜なので、西部北陸あたりでつくられたものか?作者はよほどの人物?・・・マジに会いたいと思う。
勉強のために模造を続けてきたが、必然性があっての出土品のカタチを真似しただけでは意味がなく、書道家の臨書のようにその内実を感じ取るべきもの。つまりは臨作だ。
 
常設展示されている出雲歴史博物館は照明が暗いのでわからなかったが、明るい場所ではホコリや指紋だらけで、縦半分に線がみえて樹脂製であることが判明し、神秘のベールが剥がれたけどw
 
 
 
 

わたしがヒスイ以外でも勾玉をつくる訳・・・「能登之神」無斑晶質安山岩製 古代風勾玉連珠

2024年08月24日 08時01分55秒 | ぬなかわヒスイ工房
ぬなかわヒスイ工房謹製 無斑晶質安山岩製「能登之神」古代風勾玉連珠でございます。
お客さんはいいヒスイをやすく買いたいのだから、勾玉なんて手間暇かけずつくって桐箱に収めれば、イビツだろうと傷が残ってても売れるよと、初心者のころに先達からよくアドバイスされていた・・・う~む
いまもよく見聞きするのが、不老不死の神秘の霊石とうやうやしい謳い文句でパワーストーン扱いすれば、稚拙な勾玉でも高値で売買されるという現実。
糸魚川の土産物屋で1万円で売っている安っぽい勾玉であっても、霊能者の先生が「名人が製作した特別なヒスイの勾玉」として売れば、20万でありがたいと買う人もいて、鑑定を頼まれるとヒスイでないものも多いし、わたしの作品展で見せられた場合はリメイクを頼まれたりする。
 
もっとすごいのはプラスチック製の勾玉であっても、「すごいパワー」と謳えば3万円で飛ぶように売れるそうだ。
 
作品の完成度とは関係なく、素材の希少価値や謳い文句次第で儲かるという考え方の圏外に、わたしはいる。
それならばヒスイでない石でつくった勾玉が売れるようになれば、技術を評価されたことになると思うから、無斑晶質安山岩の勾玉もつくっちゃうのだ。
 
こういった連珠が売れないうちは、未熟な中級者ということ。
 
 
 

縄文時代のハートマーク?ウサギちゃん?矢じりですって!・・・無斑晶質安山岩の矢じりペンダント

2024年08月07日 06時53分00秒 | ぬなかわヒスイ工房
「うわぁ、縄文時代にハートマークあったんですねっ!」とか
「カワイイ!ウサギちゃん?」とかの天真爛漫すぎる感想を言われるとオレは哀しい。
「矢じりペンダントですよ、矢じりのっ!」と説明すると「ヤジリってなんですかぁ?」とまで言われると、もうなんだっていい!好きに認識してちょうだい!と説明を諦める。
この経験が「ヒトの数だけ勾玉の意味がある」という学びに繋がってくる訳ですナ。お客様は神様でございマス。
試行錯誤の結果、ガラス質の無斑晶質安山岩にベストな加工を、やっとみつけた。
 
自分流のヒスイ加工をやってダメならダメなヒスイだと断定する同業者の声を聞くが、ヒスイならずとも主従関係を捨てて石にあわせた加工が必要だと思う。主役は作品なのであって作り手と原石はその構成要素。
 
柳生新陰流の「型あって型なし」という教えを自分の仕事で理解できるのだから、仕事も神様でございマス。
 
 

門前町琴ケ浜の無斑晶質安山岩で勾玉を試作!・・・能登半島地震ボランティア

2024年07月31日 07時09分47秒 | ぬなかわヒスイ工房
門前町琴ケ浜の無斑晶質安山岩で、弥生時代の北部九州と山陰タイプの勾玉をつくってみた。
写真だと石英粒が白く写ってしまうが、肉眼ではマットな半艶の渋い仕上がり。
ガラス質であることを忘れてしまい、ヒスイと同じ乾式研磨の摩擦熱で顎部と尾部が白っぽく焼けてしまったので、仕上げは湿式研磨と独自開発の特殊加工をした。
弥生時代中期の北部九州の「丁子頭勾玉」は、考古学者から納得してもらって博物館の収蔵品レベルでつくるのは難しい。もっとも昨今のレプリカは3D造形のプラスチック製が主流だと思うけど。バブル期だったら仕事をもらえたかな?
無尽蔵にある無斑晶質安山岩が、研磨したら売り物になると知ったら地元の人も価値を見直す機会になれば幸い。
フォッサマグナミュージアムの香取学芸員から原石を確認してもらい、溶岩ドームのことなどを教えてもらう。
 
サヌカイトのように薄く割って石の風鈴や石琴といった楽器がつくれるか?これも課題。
 
 

カタチにも必然性があるってことだし、モノには内実が必要ということよbyオレ・・・石笛

2024年07月20日 08時16分36秒 | ぬなかわヒスイ工房
ヒスイ原石は小割機でカットするが、カット能力は厚み4㎝くらいまでだから、厚み10㎝もある原石は手に持って回転させながらカットして、最後はクサビをいれて割る。
ところがこれが難しく、カット面に段差ができたりする。
半年間も仕事をしていなかったので、高くうれる商品をつくるために秘蔵品の透明感のある緑系の原石をカットしたら、100点満点で真っ二つにカットできた。神業~!( ´艸`)
小割した不定形をした端材を無駄にせず、超小型の石笛をつくったらすぐ売れた。助かるわ。
わたしの石笛をコピーする人は多いが、いかにも操作願望を感じる予定調和的な印象がするのは、直方体をつくってからシンメトリック形状にしているのかな。
鉱物なのにやわらかさと温もりを感じるヒスイ加工品を目指す!
 
わたしは原石の姿を活かしてつくっているので、工程の3割まではどんな形状になるか自分でもわからないし、研磨方法は原石の質と姿にあわせているから一様ではなく、シンメトリックでもない即興的なつくり方。
 
市販品に多い8㎜の吹き孔直径は、おそらくは一番安いホルソー(ドリル)で在庫を統一しているからだろうが、工夫しないと吹けばピーと音がするだけの「孔をあけた石の塊り」になってしまう。
 
わたしの超小型の石笛は8㎜孔であっても、様々な工夫をしてあるので1オクターブをこえる音域を持つし、芳醇な倍音を持っている。プロなら4音階か5音階あれば即興演奏できるので1オクターブ超えの音域は必ずしも必要ではないのだが、吹き手の即興に応える石笛をつくると自然にそうなってしまう。
「俺のドラムをコピーするのは簡単さ。でも俺を超えられないぜ!」・・・チャーリー・ワッツ(写真はウイキペディアさんより)
 
カタチにも必然性があるってことだし、モノには内実が必要ということよ。
 
 

能登の神様からのご褒美・・・ヒスイ加工を再開

2024年07月12日 07時51分52秒 | ぬなかわヒスイ工房
仕事を再開してからの二週間は四苦八苦。長期休養していた運動選手がトレーニングを再開した時の感じ。
ちょっと間を置いて再再開したら、今までできなかったことが楽々できるようになって驚いている。
再開後初の石笛つくりは石肌の風合いにあわせて、しっとりした半艶仕上げ。
以前は300番代の耐水ペーパーでは研磨傷がでるので、600番代で光沢をだし、1200番、2000番と番手をあげて研磨していたのだが、最初の300番代だけで研磨傷が消えて出土品のような風合いに仕上がった理由がわからない。
 
なにがが変わったのは確かだから、ボランティアに専念したことへの能登の神様からのご褒美と思うことにした。理由よりどこに想いを繋げて感謝するかが大事だと思う。
カットの段階で気づいてはいたが、淡いミントグリーンと白が絶妙な美しさでも、比重が2.7とあってはヒスイではないモドキだ。黄色い透過光もモドキ特有。
 
ヒスイじゃなくたっていいじゃないの。
 
心が動いたモノとであったなら、素材は不問でオンリーワンという選び方も大事ですヨ。
 
 
 

ぷるぷるゆれる胎児をイメージした勾玉カンザシ・・・輪島漆器販売義援金プロジェクト

2024年05月15日 07時09分17秒 | ぬなかわヒスイ工房
「ぷるぷるゆれる勾玉カンザシ」の5本目は、本物のクルミの殻と勾玉を母胎に浮かぶ胎児のイメージにしてみた。
塗り箸と勾玉を接合するC環は真鍮に、勾玉をつるすワイヤーも金色に変更し、評判のよかった赤メノウビーズは直径4㎜から3㎜にサイズダウン。
本物のクルミだから内側の薄皮をとるのが面倒だし、半分に割るのだって成功率は低い結構大変な仕事。
桐箱もぴったりサイズの既製品がみつかり、内装を自作して焼き印をおしたら特注品のようでフヒヒとほくそ笑む。
 
「輪島漆器販売義援金プロジェクト」をはじめた時もそうだったのだが、思いついたら実行しないと次に進めない性分だから損得抜きでやってみる。
 
災害関連ゴミとして捨てるはずだった塗り箸をくれたご婦人に見せたらどんな顔するだろう?
売れたら売上の10%を義援金に渡せるのだけど、ニッコリと笑顔をみせてくれたら満足で、ミッションの半分は達成。
 
震災で廃業することになった創業70年の呉服屋の主を、ゴミがカワユク生まれかわったと、少しでも元気づけられたらいいのだ。いつ渡せるかわからない義援金より、求められたら1本プレゼントするのもアリ。
 
売れなくてもモノ言わぬ震災の語り部として手元に置いておける。