近所に住むけんか祭り仲間が、子供を連れて「ぬなかわヒスイ工房」に遊びに来た。
夏休みの自由研究に石器を作りたいので、石器作りのイロハを教えて欲しいとの事・・・あまり知られてないが、私は「ナイフマガジン」に石器作家として紹介された事があるし、ぬなかわヒスイ工房でも売っているのだ。
私のコレクションの出土品の実物や、私の作った石器を見せて説明。
知的好奇心の強い兄弟で、観るモノ全てに興味津々・・・いいなあ。
この兄弟に感心したのは、私が糸魚川で拾った石で作った火打石セットの扱い方。
一度使い方を実演して見せただけで、そっくり真似してすぐに火種を作れたのだ。
これは大人でも難しいのだが、昔の言葉で言う「観取る」能力が高い兄弟のようで、現代っ子にしては珍しい。
将来有望な縄文少年だが、石器には打製石器と磨製石器があり、どちらもかなり難しく、相当な訓練が必要である。
そこで糸魚川の縄文人が磨製石器を作っていた蛇紋岩を、これまた石器加工の道具の必需品である来馬層群の砂岩で擦って分割する実験を提案した。
横斧(チョウナ)のレプリカで、本当に木が削れるの???と実験したがる弟(笑)・・・カワイイ。
石器作りの初期段階では、大きな石を敲いて割った石材をコツコツ成形して磨製石器を作っていたのだけれど、何時しか石材に根気よく切れ目を入れて板チョコのように割って作る分割式して作った「定角式磨製石器」に進化していったのである。
縄文時代と同じ道具だけで、何時間擦ったら切断する事ができるのか?
これは私自身がやってみたい実験なのだけど、時間が無いのでやらずじまいであった実験。
少年たちの暑い夏の思い出作りに貢献できたら幸い。
縄文少年の誕生だ・・・可愛い弟子ができた。