糸魚川駅北火災の支援ボランティアに入って六日目。
元旦に年賀状が届いて、まだ年賀状を書いていない事に気が付くほど慌ただしい正月だったが、すでに1月5日。
今日も風が強く霙がバラバラと降る天気のなか、30名近いボランティアが集まる。
県外市外から泊りがけで馳せ参じたボランティアが半数以上か・・・地元ボランティアの方が少なくて申し訳ない。
何所にいる?有志の糸魚川市民ボランティア。
焼け跡から何個かのヒスイ原石を掘り出す。
ヒスイを観た事の無い県外市外のボランティアが多いから、石が掘り出される度に「ヤマダさ~ん!」と私が呼ばれてその場で鑑定している。
ヒスイ職人が役立てる被災地なんて、ヒスイの故郷糸魚川らしい・・・。
火災の高熱で砕けた大きな庭石はヒスイによく似たアルビタイトで、これまで被災現場で観た石の大半がアルビタイトだった。
割れ方がザクロのようにザクザクしており、ガラスっぽい光沢、そしてヒスイにしてはちょっと軽いから直ぐに分かるのだけど、糸魚川市民でもヒスイだと思って庭石にしている家が多いようだ。
光沢がない乾いた感じならロディン岩・・・。
その中でひときわ緑が強く発色するヒスイ発見!
真っ二つに割れているが、割れ方が鋭く、チカチカと輝く粒状結晶も観えるし、結晶も緻密。
持ち主のおばあちゃんに見せたら、亡き夫が拾って大事にしていた形見のヒスイだそうで、すごく喜んでくれた。
ヒスイじゃなくても被災者にとってはそれぞれ想い出のある石。
持ち帰るか、そのまま焼け跡に置いておくのかは、持ち主が決める事だし、鑑定依頼されなければ余計な解説は無し。
誰が何時何所で拾って持ち帰った石なのか?
それは持ち主にしか分からない物語り。
モノ言わぬモノは実に多弁にモノ語りする。