6年前の3・11の後、「原子力から原始力へ!」という言葉が閃いた。
プリミティブな生活技術の復興、そして自立・自律した生活態度の復活、すなわち人間復興・・・。
それはUターン帰郷した翌年の事だったが、日本海縄文カヌープロジェクトを開始した直後の出来事で、その活動の存在意義を見出したのである。
以来、縄文文化の体験会を主宰したり、各種団体から頼まれて企画したりしていたのだが、人集めや準備まで全て自分でやっていたので、多忙過ぎて体調を崩したり、仕事も満足にできずに経済的にも深刻な状態になってしまい、現在は休止している。
糸魚川が誇る国指定縄文遺跡の長者ケ原遺跡で縄文キャンプをした時の写真
手伝いたいという仲間がいても、縄文体験会に必要な資材を用意するのはそれなりの知識や技術も必要であり、残念ながら糸魚川にはそんな人はおらず、また体験会の存在意義を痛切、熱烈に感じている仲間がいなければ、人集めもおざなりとなり、準備も含めて私一人が背負ってしまう事になるのだ。
助成金や寄付金で予算があるので企画と当日の講師だけを頼むという事で了解して、蓋を開けてみたら参加者ゼロという事もあった。
宣伝告知に多大なお金をかけているのに・・・この時は私の個人的な友達ネットワークだけで30名ちかい参加者を集めて事なきを得た。
実際に煮炊きできる縄文土器を作っているので、縄文料理体験会だって可能。
火起こしは定番。写真は原始技術研究家で私の恩師の関根秀樹先生を糸魚川での体験会に招いた時のもの。
お金があればいいってもんじゃない。
主催者が必然性をどれだけ感じているのかの熱意が問題なのだ。
ところが・・・。
縄文やヒスイに興味を持った人が年々私を訪ねてくるようになり、現在は年間で50名前後も糸魚川の縄文遺跡などを案内したり、市外や県外から体験会や講演会を頼まれるようにもなり、これはこれで愉しいのだけど本業のヒスイ仕事が疎かになりつつある。
糸魚川産の鉱物と植物だけで11色の顔料も作った事もある。すなわち縄文絵具!
取材にきた新聞記者さんを血祭りにあげてやった(笑)・・・赤い色は、「もののけ姫」のフェイスペインティングと同じベンガラ(酸化鉄)である。
そこでだ、今後は縄文体験をしたいという人がいれば、その人に仲間を集めて貰い、私がプロデユースと、望まれれば体験会の講師をするという方針にすれば負担が少ないと気が付いた。
必要な資材の調達や人集めは主催者に任せて、私は企画のサポートとガイド役に徹すればいい。
主役はあなた、私はお手伝い。
そんな提案でも是とする仲間のネットワークが広がっているのである。