縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

壁をぶち破った!・・・ぬなかわヒスイ工房増築工事

2017年09月10日 23時13分52秒 | ぬなかわヒスイ工房

昨年11月から外構工事・配管工事からスタートした、ぬなかわヒスイ工房の改装工事が山場を越えた。

今となっては信じられない事に、ぬなかわヒスイ工房を設立して四年目まで水道配管設備がなく、最初は配管工事からスタートした。

 

今までの三畳一間の工房では狭いながらもなんとかなっていたが、機材も増えたし来客も増えて来たので増築は避けて通れず、体験会に追われた8月を乗り切り、9月からついに増築工事に着工。

取材に来たマスコミからは「大人の隠れ家・秘密基地」と評されていた八月までのぬなかわヒスイ工房、要するに狭かったのだ。

所狭しと機材が並ぶリフォーム前。

来客時だけ片付けていた(笑)

 

正面奥の壁をぶち破り、三畳から六畳弱へと倍近く広くなった。

根太に防虫用のクレオソート塗布・・・臭い。

既存床が汚れていたので、針葉樹合板を捨て貼り。

 

懸案だった冬の寒さ対策も壁と天井に断熱材を入れたので、冬の到来が待ち遠しい。

床材もこれまでの耐水合板の上に針葉樹合板を捨て張りして、更に無垢の杉板を張っって仕上げた。

いわゆる本物の木のフローリングである。

無垢の杉板は、鳥取の「スギゴコチ」という材木屋さんから購入。防汚防水性を高めるオスモ塗料2回塗りオプションを加えて六畳分(三坪)で送料込み四万円という安さ!随分と高級感が出た。

 

最初は店舗の床材に使用される防水・耐傷性の「長尺フロアー」も検討したのだけど、大工や家具屋の友人達が口を揃えて無垢床材を薦めてくれたので決定した訳だが、意外に簡単に施工できたし、天然木材ならではの感触がいい。

裸足が心地よく、太陽光の当たりが柔らかい。

休憩時間には床材の上に寝転んで感触と木の香りを愉しんでいる。

横滑り窓というタイプも自作。一般的な引き違い窓と違い、開口部が広いので風遠しがよく、セルフビルドしやすいのだ。

 

配管工・植木屋・土方・大工・屋根屋・板金屋・塗装屋・左官屋・建具屋の仕事をセルフビルドで全部ひとりでやった。

後は収納造作と機材搬入・・・終わりが見えてきて寂しい。

今週末には仕事再開するが、文字通り「壁をぶち破ったぬなかわヒスイ工房」、遊びに来てくださいな。

 


ヒスイの嘆き・・・価値をお金に換算する風潮に物申す

2017年09月10日 05時30分37秒 | ぬなかわヒスイ工房

フェイスブックをやっているのだが、「200万円の宝石が拾える糸魚川の海岸・一攫千金・お宝探し」といった類いの記事がよくシェアされて、ウンザリしている。

現在、ある子供番組でヒスイ拾いをテーマにした企画と関わっているのだけど、当初はやはり「一攫千金のお宝探し」という内容が全面に出ていた。

モノをお金に換算する現代人・・・。

でも糸魚川ヒスイの存在が忘れられていた時代、糸魚川ではヒスイは単に重たい石というだけの扱いで、屋根の重石や漬物石に利用されていた。

ところが縄文人は、数ある石の中からヒスイの尊さを発見している。

自宅から出土した古墳時代のヒスイ勾玉・・・ぬなかわヒスイ工房は奴奈川族の玉造遺跡の真上にあるのだ。

 

そして困難な加工に挑み、五千年前には七百八十キロの海のヒスイロードを経て青森の三内丸山遺跡、三千三百年前には黒潮の海を逆行して沖縄本島まで運んでいる。

私にとってヒスイは故郷の祖先たちの偉業を顕彰する歴史的存在。

勾玉の背中のカーブとぴったり一致した筋砥石も、勾玉と同じ所から出土している。いったいどれだけ時間を掛けていたのだろう?

 

縄文人はヒスイにどんな想いを持っていたのか?

ヒトは何故、モノを産み出すのか?

何故、イノチを掛けてまで艱難辛苦の旅に出たのか?

ヒスイは無言の内に多くをモノガタリする。

ヒスイの価値に気付かない内は漬物石・・・誰もパワーストーンとも貴石とも言わなかった。

ヒスイの嘆きが聴こえるようだ。

そんな見解をテレビ番組のデレクターに訴えていたら、私が力説し続けている「ヒトとヒスイのモノガタリ」という視点も加わってきた。

ヒスイを安易にお金に換算する風潮に物申す!