縄文人(見習い)の糸魚川発!

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嵐の前のつかの間の静寂・・・大首飾りプロジェクト

2018年09月10日 16時33分42秒 | ぬなかわヒスイ工房

大首飾りに含まれる赤瑪瑙の勾玉は、大正時代の技術を自分で調べて染めたが、発色が気に入らなかった勾玉と焼成に失敗して欠けてしまった八角玉のみ、北海道旅で仕入れた今金産の天然物を使用して作り直した。

焼成して赤色させる時に欠けてしまった八角玉。

 

武四郎が明治期に大首飾りを作ったのは、圧政を受け続けていたアイヌへの鎮魂のタマサイ(アイヌ語の首飾り)ではなかろうか?という説を建てている私としては、北海道産の石材を使う意義は大きい。

二風谷で仕入れた情報を頼りに今金(イマガネ)を訪れて出会った元瑪瑙加工職人さんから、原石を分けて頂いたのである。

今金産の天然物の赤瑪瑙で作った勾玉。

尻尾の所にも孔が開いているのは、武四郎が大首飾りを繋げる際に開けさせたものらしい。

地震で被災した人々へのささやかな応援の意味もある。

赤瑪瑙勾玉の実物は、頭部と尾部が直角に近い角度のカスガイ状の形状をしており、形状と赤瑪瑙の産地もある事から、恐らく古墳時代の出雲で作られたものであるらしい。

 

そして大首飾りはヒスイ製勾玉1点を残すのみとなった。

糸魚川の春の風物詩、「けんか祭り」でいえば、クライマックスの神輿の競争「お走り」の場面。

躍動的なお走りの写真は、大和川区のペンション・クルーの若旦那の撮影で、写っているのは押上区の若い衆(ショウ)


祭りの間中、境内で演奏されている雅な「三つ拍子」が、一瞬の間を置いてドンッ・デンッ・ドンッ!という勇壮な「お走り」の調子に変わり、男たちは雄たけびをあげて神輿を走らせる。

けんか祭りは、私の住む寺町区と隣の押上区の男たちが二基の神輿を激しくぶつけ合う勇壮な男祭り。同じくペンションクルーの若旦那撮影


疲れていようが、怪我をしていようが問答無用。

もし途中でコケたり、辛さに肩を抜いたりしたら「一生、男として認められん」と陰口をたたかれるから、覚悟を決めて死に物狂いで走る、奔る。

今の私は、お走り直前で乱れた装束を改め、帯を締めなおす、嵐の前のつかの間の静寂にいる。

明後日、完成予定。