縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

「佳い」と「浅い」の断絶・・・いにしえの勾玉に学ぶ

2020年04月09日 07時51分15秒 | ぬなかわヒスイ工房
ある書籍で紹介されていた弥生時代っぽい勾玉の流麗な姿に惚れこんで、僅かな情報を頼りに調べたら、近畿地方の4世紀後半の前方後円墳から出土した勾玉であることが解った。
 
当該の埋蔵文化財管理者も詳細が解らないとのことだが、だいぶ昔に一般人が表土採取して現在は国立博物館に収蔵されているからとのこと。
実物は青碧玉だが、赤瑪瑙と水晶で「写し」を作ってみた。
 
これまで作ってきた私の勾玉は、カワイさとスマートさのバランスがいいと自負していたし、それなりに評判も良かったが、今回作った「写し」と比べたらオモチャのようにチャチに観えて仕方ない。
一言で言うとお手本は「佳い」のだけど、私のは「浅い」のだ。これは文化的背景によるものか・・・情けない。
「大首飾り複製」を作っていた2年前から赤瑪瑙や水晶の研磨も随分と進化したが、納得することはなく頭を悩ませていた。
 
そこで水晶加工の本場、甲府の原石・パーツ販売店「甲州屋」の望月社長に相談したら、独自開発した研磨資材のサンプルを大量に送って頂き、面白いように石英系の研磨ができた。
 
やはり餅は餅屋ですな。おぢちゃん、アリガトウ!
石英系の瑪瑙、水晶はヒスイと研磨方法を変えないと駄目で、これまでヒスイ加工の範囲内で試行錯誤していたが、デリケートな石材なので微細な研磨傷が入ってしまうことがあったのですヨ。甲州屋さんの研磨資材を工夫して、自分なりの研磨方法を見出せたのは幸い。
 
たかが勾玉、されど勾玉、実に奥が深い。
 
また1年生に戻った感じだが、振り出しに戻ったのでなく小学校を卒業して中学校に入学したのだろう・・・心機一転で精進するしかないですナ。