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加賀藩の参勤交代の実態が面白い・・・忠田敏男著「参勤交代道中記」平凡社

2023年05月01日 07時07分36秒 | 糸魚川自慢

 

加賀百万石の参勤交代の実態は?
〇金沢から江戸まで480キロを12泊13日の強行軍
〇旅費の総額は約5~7億円
〇窮屈な姿勢で駕籠にゆられる殿様は苦痛で、時には気分転換に歩いたり馬に乗ったりしたW
〇随行員は二千名~四千名(平均二千名)と馬二百頭
〇姫川の渡し賃だけで約150万円
〇宿場と関所の出入り以外は、威儀を正さず適当に歩いた
 
三代目藩主の利常公の時代の参勤交代は戦国の気風が残っていて、名だたる暴れ川の姫川を殿様みずから乗馬で渡河して、胸まで濡れて糸魚川宿に到着。宿でも自炊、野営もしていたそうだ。
 
糸魚川市民の観光ガイドネタ
〇天下の険「親不知」の断崖を安全に通行させるために、人間バリケードとして200~700名も人足を雇っていた。
〇大火の翌日に参勤交代が到着したために、焼失した布団や食材の代替品集めにおおわらわ。青海から能生あたりまで分散して民泊や寺にも泊まってもらった
〇糸魚川本陣の小林家(現加賀野井酒造)は、財政難で屋敷の修繕費用を加賀藩から120両をだしてもらったが、うち35両は使途不明金!(ネコババか?W)
 
参勤交代は年に一度の臨時収入となるので、庶民には歓迎されたが、それなりの格式を保たなければならない本陣宿ともなると名誉ではあっても家の修繕費がかさみ、ありがた迷惑なこともあったらしい(笑)
 
著者は金沢市立図書館職員として古文書に接してきた方で、定年退職の記念に研究成果を出版されたそう。素人にもわかりやすく書かれた名著でございます。糸魚川図書館にありますぞ。