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普遍的なテーマを不偏的に描いた「独裁者と小さな孫」の旅・・・映画「独裁者と小さな孫」

2022年03月16日 07時17分13秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

アマゾンプライムビデオでなにげなく選んだ2014年公開の映画が、ロシアのウクライナ侵攻に心を痛めていたタイミングにぴったりだったし、20代の時に起こったチャウシェスク大統領の独裁国家だったルーマニアの内乱を思い出した。

俳優もロケ地もジョージアだが、架空の軍事独裁国家で内乱が起こり、独裁者の大統領と孫が流浪の芸人になりすまして逃避行する物語。
 
逃亡生活の中で、山賊のような軍隊の実態や、弾圧と貧困に苦しむ国民など、自ら創り上げた世界を弱者の立場で目の当たりにしていく大統領と孫。映画では、独裁者の手先となり国民を弾圧してきた軍隊が、掌返しに追う立場になることにも容赦はしない。
 
ジョージアの人々の顔立ち、習俗と音楽がどことなくエキゾチックな雰囲気を漂わせていて、特にラストはギリシャ映画の名作「その男ゾルバ」を思わせる結末・・・現代版のギリシャ悲劇か。
 
観終わって気付いたが、過去と現在を繋ぐかのような固有名詞が二つしかでてこないのは、物語に普遍性を持たせるためと威圧的な大統領と純真な孫の二人組に、過去と現在を投影させて一人の人物として描いているのだろうか?
 
国際政治の泥沼こそ描かれていないが、善悪二元論的な単純な世界観や、過剰なセンチメンタリズムに陥らず、普遍的なテーマを不偏的に淡々と描いているところが素晴らしい。
 
映画封切りの直後に「ウクライナ騒乱」が起こり話題となったそうだが、心が痛む映画だ。
 
 


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