今年の糸魚川市平野部は小雪。
だから雪かきらしい雪かきはしていない。
我が家では親父は軽いプラスチック製スコップを使っているが、俺は孔開きスコップを愛用している。塗装されているので、雪も土もくっつき難いし、孔開きだと粘性土でも大丈夫。
プラスチック製の中で一番使えるのはポリカーボネード製スコップだけど、高価なことと締め固まった重い雪だと役に立たないが、軽い新雪なら一番使い勝手はいい。
アルミ製も軽いけど雪がくっつくのでシリコンスプレーなんか吹きかけるといいが、やっぱり新潟の雪は重いからアルミ製だと軽すぎて、雪を割ったり差し込んだりする時に苦労する。
鉄製のスコップも錆びると雪がくっついてしまが、イチオシは全国津々浦々の植木屋や土方が愛用するのは「金象印」の塗装された鉄スコップ。
金象印のスコップは柄が鉄パイプなので、テコにも使えるから、重いことを除けば丈夫でオールラウンドに使える頼れるヤツ。
いざという時のサバイバルのためにも、一家に一本は金象印のスコップは置いておきたいもんだ。
去年の冬に石川県加賀市の「百笑の郷」という市民団体から縄文体験会を頼まれたが、俺は整体協会の動法教授資格者ということもあって、ついでに雪かきの指導もしてくれと頼まれた。
動法とは、分りやすく言えば昔の日本人の身体の扱い方で、整体操法では必須の技術である。
宮本武蔵みたいな武芸者、農家、古典芸能など、全て動法の原理による身体扱いをしていたとして、我々はその研究をしているのだ。
動法は一言で言えば、筋肉に頼らない骨の動きであり、その動きは腰と腹に要を置く感覚的な身体扱い。
体験会当日の朝になってから急に動法的雪かきを指導してくれと頼まれたのだが、慌てずに雪かきの指導に臨めた。
動法の原理は色々なことに応用が利くのだ。
受講者は子供とその父兄だけど、俺の指導を聞いていたスタッフの地元のお年寄り達が「長年雪かきしているけど、こんな楽なのは初めてだ!」って驚いてた。
指導内容はいたって簡単。
スコップを持つ時に、普通は柄を持つ前の手を逆手で持つ。
一般的に逆手でスコップを持つ写真モデルは、除雪歴60年のFさん。
逆手で持つと、両腕がバラバラになってもろに筋肉だけの動きになって疲れるのが難点だ。
ところが前の手を逆手から順手にすると、背中と両腕が繋がり、腕の筋肉の負担が少なくなり両腕に統一感が生まれる。
その代わりに腕が逆手の時より自由に動かなくなるが、その分を下半身の操作で補うようにすればいいのだ。
主役が腕ではなくなるので、腕の局部的な疲労が無くなる訳だ。
コツは両肘を左右に張って、脇の下に空間を作ること。
スコップの操作は、腕ではなく下半身を主役にした全身で行うことの2点。
順手で持つとこうなるが、Fさんは高齢者で足腰が弱っているために膝を曲げて体を沈めることができないので、両肘が左右に張れていない。
これで歩幅の調整や膝の曲げ具合、股関節の動かし方の工夫で両肘が張れればずっと楽になる。
スコップの微妙な操作が必要な時は、腕が自由に扱える逆手に戻せばいい。
スコップ扱いのプロ・・・植木屋や土方はこうスコップを使う。
初歩的な動法だけど、随分と雪かきが楽になるハズ。
浅草の植木屋も金象印のスコップ使ってんだろ?
ヨージに「ぬなかわヒスイ工房」の縄文石笛チェックしておけっていっておいてな。
気に入ったのがあったら相談に乗るよ。
確かに楽チンで作業も捗りましたさ。
スコップ、チェーンはトラックにも必需品だよな。
とにかく新潟の県境は東西南北の全部が凍結して、よく他県トラックが事故るんだぜ。
気をつけろよ。