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2,500年前の「兼愛」の非戦思想・・・半藤一利著「墨子よみがえる」

2021年03月27日 08時18分37秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

2,500年前の戦乱の中国に、非戦を唱え専守防衛を指導することで平和な世界を目指していた墨子(ぼくし)なる実践的な思想家と、その教団である墨家がいたそう。

晩年の半藤一利さんは「墨子はえらいなぁ」とたびたび口にしていたようで、直江兼続や勝海舟、喜劇王チャップリンやトルストイに墨子の影響が見て取れ、現代の日本人ではアフガンに用水路を作っていた医師の中村哲さんが正しく墨子だと書いている。
中村哲さんの母方の叔父が作家の火野昇平、祖父が何度も映画化された「花と龍」の主人公の玉井金五郎その人であって、命を懸けて弱い立場の労働者のための組合作りをやり遂げた祖父の義侠心が、中村さんの思想に大きな影響を与えたのだとNHKで放送しておりました。
 
 
その思想は現実離れした理想主義のようだけども、実際に「任侠」をもって戦争を回避させていた。が、しかし没後に始皇帝の焚書坑儒、つまりは言論統制により抹殺され、中国で「孔墨」と並び称されるほどの思想家であっても、孔子ほど知名度は高くない。
 
独裁者にとって孔子は有益でも、墨子は都合が悪い思想だった訳だ。
墨家の専守防衛を題材にした日本の小説「墨攻」から、コミックや映画が作られておりますので、興味のあるかたは是非。
 
本来の「任侠」とはヤクザ世界の義理人情ではなく、公のために損得抜きで一命を顧みずに働くことで、その根本の精神を「兼愛」と呼び、それはキリストの愛と同義であるとしている。
 
また「兼愛」は直江兼続の兼であり、兼続が兜を「愛」ひと文字の前立てで飾ったのは、墨子の「兼愛」に影響されているのではないかと推測している。
 
墨子も半藤さんもいない現在、尖閣問題の東シナ海の緊張を、専守防衛を旨とする平和憲法の解釈と、有事の際に日本はどうすべきか?と、よみがえれ墨子・半藤とばかりに考えてみる。
それにしても「半藤一利さんはえらいなぁ」と呟く。
 
 

 



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